金融庁がデロイト報告書を公開、ステーブルコイン市場の未来

金融庁は6月30日、総合コンサルティングファームのデロイトトーマツコンサルティング合同会社が作成した調査報告書『ステーブルコインの健全な発展に向けた分析』を明らかにした。
この報告書は金融庁の公式見解ではないが、市場での存在感を増すステーブルコインの不正利用リスクへの対応を目的としている。
国内で進むステーブルコインの導入と規制の動き
報告書は、日本の金融システム内でステーブルコインの利用が広がる中で、新たな課題を検証している。
2023年6月の改正資金決済法の下で本格的に稼働した商業用ステーブルコインのプロジェクトはまだない状況だ。
しかし、暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードが4月に米ドル連動型ステーブルコインであるUSDCのサービスを開始するなど、具体的な動きが出始めている。
他の事業者も日本円に連動するトークンの発行を検討している。
金融庁による定期的な調査は、ステーブルコインが国際送金や資産のトークン化へ利用が拡大する中での、運用リスクや透明性、規制の隙間に対する懸念を反映している。
これには、デジタル通貨DCJPYを通じた銀行預金のトークン化なども含まれる。
市場拡大と国際的な規制調和への圧力
日本の仮想通貨市場は急成長しており、口座数は1200万、預かり資産は5兆円に達する。
USDCのようなステーブルコインのプロジェクトも注目を集めている。
3月の法改正は、金融審議会の2025年の報告書に基づき、ステーブルコインの監督強化を目指すものだが、施行には課題も残る。
また、仮想通貨を金融商品取引法の対象とする提案や、キャピタルゲイン税を20%に引き下げる案も浮上している。
これらは、国際的な規制の動向と足並みをそろえようとする日本政府の姿勢を示すものだ。
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