ビットコイン(BTC)は、謎の人物とされるサトシ・ナカモト氏が発表した世界初の暗号資産(仮想通貨)です。最も有名なデジタル資産とされており、中央集権型機構を介さずにデジタルで資金を管理・取引する方法を確立しました。市場価値と一日の取引量の両方でトップをひた走る通貨でもあり、2023年末には予想外の値上がりを記録し、仮想通貨の爆上げ銘柄になったことで話題となりました。
ビットコインとは?
ビットコインとは、世界初の分散型仮想通貨銘柄のことです。デジタル資産の設計思想に多大な影響を与えたと言われており、現在は様々な分野で採用が進んでいます。投資目的として保有するのはもちろん、BTCを用いて商品やサービスを購入することもできます。
クラウドファンディングや寄付などにも用いられており、決済時の匿名性が高いのが特徴です。一般的に、BTCと言う場合は通貨単位を指すことが多く(1BTC、100BTCなど)、ビットコインと言う場合は決済システムそのものを指すことが多いとされています。
高い人気を誇るビットコインですが、高額な取引手数料がネックだという声もあります。そのため、ビットコインの代わりにアルトコインを採用するプラットフォームも増えており、投資の観点からも代替通貨は常に一定の需要があります。
イーサリアム(ETH)やライトコイン(LTC)は代表的な競合トークンで、その他にも「草コイン」と呼ばれる低価格の仮想通貨が登場しています。こうした事例は、ビットコインが他の仮想通貨を定義する存在であるということを裏付けていると言えるでしょう。
ビットコインの価格と価値
2024年1月のビットコイン価格は約4万2800ドルで、これは仮想通貨の価格としては図抜けて高い値です。価値0円のICO仮想通貨としてスタートしたことを考えると、短期間で桁違いの規模に成長した銘柄だと言えるでしょう。
ナカモト氏の論文によると、ビットコインの発行数上限は2,100万BTCで、少なくとも2140年までは上限を下回る数のコインが流通する見込みです。ビットコインの入手方法は様々で、マイニングや他のコインと交換(スワップ)したり、購入したりするなどして獲得できます。ビットコインの価格は変動が大きく、従来の通貨と同じように需要と供給の関係に基づいて決定されます。
つまり、ビットコインの価格は需要が高いときに上昇し、逆に低需要の時は価格は下落します。そのため、ビットコインの価値は予測が難しく、時事や市場動向に大きく左右されるのが常です。仮想通貨市場では最も人気のコインですが、通常の法定通貨(日本円や米ドルなど)と比べると、流通量は依然として低い水準にとどまっています。
ビットコイン市場は拡大を続けており、市場規模はビットコイン価格が2万ドルを記録した2017年5月に3000億ドルを突破しました。その後の2018年夏には1000億ドル近くまで縮小したものの、2021年以降は再び上昇に転じています。
ビットコインに限らず、仮想通貨の購入方法は仮想通貨取引所を介するのが一般的となっています。
ビットコインの仕組み
ビットコインは「ブロックチェーン」と呼ばれるビットコイン台帳上で機能します。ビットコインのブロックチェーンは分散型(データを一括して管理する機構が存在しないこと)であり、取引検証にはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)が使用されています。
BTCの取引に使用される検証プロセスは「マイニング」と呼ばれます。これは厳しい要件を伴うプロセスで、「マイナー」と呼ばれるプロセス実行者がソフトウェアを用いてハッシュを生成することで実行されます。
簡単に言うと、マイナーはパズルを解くのと同じ要領でビットコイン検証を実行します。複数のマイナーが同じプロセスの検証に挑む場合、最初にパズルを完成させたマイナーが新しいブロックを作成し、マイニング報酬を得ます。
ビットコインのマイニング(検証プロセスの実行)は、それ自体が利益を得る手段として用いられます。一方、マイニングは効率の低下を引き起こし、エネルギー消費と取引手数料の増加という問題も生み出しています。
そのため、プルーフ・オブ・ワークに代わってプルーフ・オブ・ステーク(PoS)のような代替手段も登場しています。カーボンフットプリントの観点からも、ビットコインの競合コインは効率面での優位性を強調することが多いようです。
ビットコインの創始者は誰?
ビットコインは、サトシ・ナカモトと名乗る人物によって創造されました。日本人風の名前ですが、国籍を含めナカモト氏の素性は謎に包まれています。そもそも、創始者はひとりなのか、それとも複数人が関与しているのかすら不明です。
2012年の公式発表では、ナカモト氏は日本在住の37歳男性であることが明かされました。ただし、ナカモト氏の使う言語が英語(しかも、ネイティブ的な用法を多用している)であること、活動時間が北米時間に基づくことなどから、アメリカまたは欧州出身なのではと推測する人が多いようです。
過去にビットコインの創造者と推測された人物には、コンピュータ科学者のハル・フィニー氏、物理学者でシステムエンジニアのドリアン・サトシ・ナカモト氏、仮想通貨会社ドモルガンCEOのクレイグ・ライト氏などがいます。また、ナカモト氏自身も投資で仮想通貨の億り人になったという説もあります。
いずれにせよ、現時点でビットコインの創始者が誰であるかを断定することはできません。現在もネットユーザーなどによる身元特定が行われており、素性が明らかとなるのは近い将来かもしれません。
ビットコインの買い方と管理方法
ビットコインの買い方の記事もご覧ください。
ビットコインの買い方と管理方法について説明します。大まかなBTCの購入手順は以下のとおりです。
- 仮想通貨ウォレットを取得する。ウォレットはビットコインなどの暗号資産を保管・管理するツールで、公式サイトから無料でダウンロード可能。
- 仮想通貨取引所にアクセスし、ウォレットを接続する。
- 本人確認を完了する。これにより、取引所のすべての機能が利用可能になります。
- 法定通貨(日本円など)を使用して、取引所の自身のアカウントに資金を入金する。
- 入金した資金をビットコインと交換する。ウォレットに保有している別の通貨(イーサリアムなど)との交換も可能。
仮想通貨取引所は通常、専用のウォレットを提供しています。そのため、サードパーティのウォレットを持っていない場合は、直接取引所にアクセスしてウォレットを作成することもできます。
ビットコインの買い方は日増しに簡略化されており、現在の購入プロセスは極めて単純なものとなっています。取引速度も極めて早く、面倒な手順なしで即座に手元の資金をBTCと交換できます。
ビットコインと買い方が異なる通貨には、プレセール仮想通貨があります。こちらはお得なプレミア価格で購入可能なトークンで、取引所上場前のコインを格安で獲得できるのが魅力です。
ビットコインのマイニング
ビットコインは「マイニング」と呼ばれるプロセスを通じて生成されます。マイニングは、ブロックチェーン台帳の保守と開発において中核を成す仕組みです。
分かりやすく言うと、ネットワーク上の取引を検証して記録するために複雑な暗号パズルを解くプロセスのことを指します。以下は、ビットコインの生成方法の概要です。
- 取引の検証・・・マイナーと呼ばれるマイニング実行者が、取引の正当性を検証します。これには、ビットコイン送金者が必要な残高を持っているかの確認が含まれます。
- ブロックの生成・・・取引が検証されると、それらはブロックと呼ばれる単位にまとめられます。「ブロックチェーン」という仮想通貨関連用語は、この手順で作成されるブロックの連鎖が語源です。
- パズルの解決・・・マイナーは、計算機を使用して新しいブロックのハッシュ生成を行います。このプロセスはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれており、膨大な計算を処理できる専用のマシンが必要となります。
- ブロックの追加・・・マイナーは、ブロックを他のネットワーク参加者(ノード)にブロードキャストして検証を行います。承認され次第、ブロックはブロックチェーンに追加されます。
- 報酬の獲得・・・取引を処理したマイナーは、新しいビットコインを生成して報酬を受け取ります。報酬額は約4年のサイクルで半減されるため、現在の報酬額はビットコイン創始時の約15%にあたる6.25BTCとなっています。金などの貴金属の採掘と似通っているため、「マイニング(採掘)」という言葉が使われるようになりました。
ビットコインのマイニングは、電力を中心として膨大なリソースを必要とします。そのため、個人が実行することは難しいとされてきました。最近ではマイニングを代行する会社や、専用のマシンを提供する会社も現れてきています。
依然として高額の投資が必要となるのは間違いなく、数百万〜数千万円単位の初期投資が必要となります。その他、マシンを設置する場合には専用の敷地が必要となる場合もあるため、ビットコインのマイニングは依然として困難を伴うと言えるでしょう。そのため、BTCを間接的にマイニングできるミームコインも考案されています。
ビットコインの今後と将来性
ビットコインは、今後も大きなアップデートが多数計画されています。現物ビットコインETF(先物取引)は特に注目のプロジェクトで、現在は米国証券取引委員会(SEC)による承認判断を待っている段階にあります。
米国初となるビットコインの現物ETFが実現する場合、BTCの採用は一気に加速する可能性があります。結果としてボラティリティが上昇する可能性もあるため、投資の観点からは一長一短の動きとも言えるでしょう。
また、2024年にはビットコインマイニング報酬の半減も予定されています。4年に一度のイベントはBTCの市場価値への影響が大きく、このタイミングでビットコイン価格も大きく上昇する可能性があります。
急下落というリスクもありますが、投資タイミングとしては検討に値するでしょう。また、ビットコインの今後を予想する記事も参考になります。
投資リスク
ETFに期待のビットコインですが、投資には常に一定のリスクが存在します。SECによる承認判断は延期が相次いでおり、今後の展開によっては大幅な価格下落を迎える可能性もあります。
また、機関投資家によるビットコイン投資もリスクが大きいと言えます。これは企業が資産としてBTCを溜め込むことで、市場におけるビットコインの流動性が低下する恐れがあるためです。
規制と法的側面
仮想通貨は、法的に曖昧な部分が多い資産です。これは世界中で共通して言えることで、欧州など一部の地域は規制に向けた動きが活発化しつつあります。
インドのように、ビットコイン取引を一律に禁止することが議論されている国もあります。一方、米国のETFなど、ビットコインを積極的に採用する国地域も多数存在します。
違法ビジネスも問題となっており、各国の規制当局はビットコイン企業に対して厳しい取り締まりを行ってきました。ネガティブな側面がある一方、社会がビットコインに対して真剣に取り組んでいることは良い風潮だとも言えます。
結果として、ビットコイン投資の安全性は向上を続けていると解釈することもできます。前述のETF案も、国家による本格的な通貨規制の代表例と見る向きが多いようです。
ビットコインと投資家
ビットコインのエコシステムは、開発者、取引所、マイナー、ステーカー、そして投資家により成り立っています。ビットコインの投資家が果たす役割は大きく、BTCの未来は個人の投資判断に大きく左右されると言っていいでしょう。
ビットコインはTwitterなどのSNSでも盛んに議論されており、インターネット上には大小のコミュニティが存在します。現実世界でのイベントも数多く、BTC投資家同士が集まって親睦を深めるということもあるようです。
短期間で数百倍の価格上昇を記録したこともあり、ビットコインの成功者は日本人が多いという説もあります。真偽のほどは定かではありませんが、デジタル化後進国と言われる日本でも高い人気を誇るのは間違いありません。
ビットコインと他の仮想通貨の比較
※イーサリアムの今後については、別記事をご覧ください。
ビットコインと他のおすすめ仮想通貨を比較すると、それぞれのメリット・デメリットが簡単に分かります。
時価総額でビットコインに続くのはイーサリアム(ETH)です。ただし、BTCとイーサは仕組みがまったく異なります。ビットコインが法定通貨に近い役割を果たすのに対し、ETHはDApps(分散型アプリケーション)やスマートコントラクト用のプロトコルとしての側面が強い通貨です。
どちらもエネルギー消費が大きいのがネックですが、ETHは2022年9月に高効率のプルーフ・オブ・ステークを採用しました。値動きもビットコインと連動することが多いとされています。
時価総額3位のテザー(USDT)は、価格が米ドルに固定されたペッグ通貨(ステーブルコイン)です。ビットコインが値動きの激しい仮想通貨なのに対し、USDTは米ドルと価格が同じで安定感があります。
バイナンスコイン(BNB)は、大手取引所のバイナンスが発行するトークンです。ビットコインなど他の仮想通貨と比較して、取引手数料の面で優っています。バイナンスを経由してスワップ(交換)した時のみに有効なほか、BTCよりもさらにボラティリティが高いという性質もあります。また、バイナンス上場予定の銘柄をいち早く確認できるのも魅力です。
仮想通貨の新規上場は、急激な価格上昇の可能性があるのが魅力です。下振れした時の損失もBTCとは比べものにならないほど大きくなるため、新しいトークンに投資する際は更に慎重な判断が求められると言っていいでしょう。
よくある質問
ビットコインについて、よくある質問をまとめました。
ビットコインは安全?
ビットコインは安全に購入して利用できます。ただし、通貨価値が下落した場合は資産の一部を失う可能性があります。そのため、BTCに投資する際は長期的な計画立てが必須となります。
ビットコインの使い方は?
ビットコインの使い方は多様で、投資の他にも商品やサービスの購入に用いることができます。また、マイニングと呼ばれる手法を用いて直接ビットコインを作成することもできます。
ビットコインの買い方は?
ビットコインの買い方は単純で、仮想通貨取引所を介して購入できます。決済には法定通貨か他の暗号資産が必要で、購入したBTCは仮想通貨ウォレットに入金されます。