リップル(XRP)は、カリフォルニアに拠点を置くベンチャー企業「リップルラボ」のネイティブトークンです。時価総額で6位につける暗号資産(仮想通貨)で、国境を越えた通貨取引を可能とすることを目的としています。2019年に開始された大学ブロックチェーン研究プログラムは、京都大学や英オックスフォード大学も参加する大規模なプロジェクトへと発展しました。
リップルとは
リップルとは、デジタル取引に使用されるグローバルインフラストラクチャのことです。2021年に米プログラマーで起業家のジェド・マッカレブ氏らによって創始されました。
アメリカン・エキスプレスなど、既存の大手金融機関と提携してサービスを展開しています。数秒で完了する高速決済が特徴で、1秒に最大1500件の取引を処理できるのが売りです。急激な価値上昇により仮想通貨の億り人を排出したコインとしても知られており、特に2017年の急騰は記憶に新しいと言えます。
XRPはリップルの仮想通貨で、プラットフォームを動かすのに欠かせない存在となっています。金融取引の高速化は高い顧客満足度に繋がっており、多数のユーザーに対応できるのもメリットです。
また、従来の銀行間送金に比べて手数料が安いのも特徴です。リップルは独自の分散型台帳システム(XRP Ledger)で高効率を達成しており、取引費用とエネルギー消費が少ないという利点もあります。
また、ミームコインなどとのスワップ(通貨の交換)にも対応しており、最も人気のある仮想通貨のひとつでもあります。現在の市場総額は約270億ドルで、暗号資産市場全体で7位に位置しています。
リップル(XRP)の価格
リップルの価格チャート(出展:Google)
リップル(XRP)の現在の価格は0.5ドルです。2022年7月より緩やかに上昇を続けており、今後は2017年末や2021年に記録したような急激な価格上昇も期待されています。
2018年初頭に10倍の価格上昇を経験したXRPですが、その後の2年間で価格は元の水準まで下落しました。その後、2021年4月より数ヶ月にわたる高騰を記録した後、「仮想通貨の冬」到来により爆上げ仮想通貨の地位をを失っています。
現在の市場価値は約270億ドルで、最高値は2018年1月に記録した1220億ドルです。価格変動の大きいリップルですが、ここ1年半は継続して成長を続けています。
XRPはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などと異なり、マイニング不可能な仮想通貨です。そのため、OKXなどの取引所を介して簡単に購入することができます。
リップルの市場流通量は540億トークン程度で、これは総供給量の50%に当たります。残りの半分はプロジェクト自体が保有しており、これにより「中央集権的だ」という批判を受けることがあります。
2020年にはSEC(米国証券取引委員会)から取引法違反の疑いで提訴されており、ここ数年は裁判の行方が注目されていました。その後、2023年にSECが提訴を取り下げたことで、リップルの価格も一時的に急騰しています。
リップル(XRP)の仕組み
リップルは、他の仮想通貨と比較して中央集権的な側面の強いプロジェクトです。ネットワークの検証には、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)やプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の代わりに合意アルゴリズムを使用しています。
合意プロトコルは、3〜5秒ごとに「バリデータ」と呼ばれるサーバーがネットワーク上の取引合意を行う仕組みです。リップルの公式サイトによると、PoWに比べて6万倍以上エネルギー効率が高いとされています。
トークン生成とバーン(焼却)
他の多くの仮想通貨と異なり、XRPはマイニング不可なトークンです。そのため、ICO仮想通貨としてリリースされる前に1000億トークンが作成されました。
XRPトークンは定期的にバーン(焼却)されており、リップルの市場流通量は一時的に低下することがあります。価格の安定化に寄与する一方、恣意的な価格操作が容易なのは議論の余地があると言えるでしょう。
リップル(XRP)の買い方
※仮想通貨の買い方のページもご覧ください
リップルの買い方は簡単で、以下の方法でXRPを購入できます。
- まず、利用する仮想通貨取引所とウォレットを選択します。おすすめの取引所はBitFlyerなどで、ウォレットは取引所にデフォルトで搭載されているものを使うこともできます。外部ウォレットを使用する場合、取引所利用時にウォレットを取引所に接続する必要があります。
- 取引所とウォレットのそれぞれでアカウントを作成します。
- 本人確認を完了して、全機能をアンロックします。
- 取引所のアカウントに資金を入金します。法定通貨(米ドルなど)など、様々な入金方法が利用可能です。
- アカウントの資金を使用して、リップル(XRP)を購入します。
- 購入したXRPは、自動的にウォレットに送金されます。リップルは投機目的で保持するか、商品やサービスの購入に使用可能です。
リップル(XRP)の将来性
リップル(XRP)は話題性の高いトークンで、最近ではSEC関連の裁判により注目を集めてきました。将来性の観点からは、リップルは2024年以降に価格上昇が見込めるおすすめ仮想通貨という意見もあります。
リップルのメリット
リップルは、実用性に焦点を当てたプロジェクトです。取引の容易さは高く評価されており、金融関連のビジネスでは常に一定の需要があります。
また、エネルギー効率が良いのもポイントです。近年、仮想通貨はカーボンフットプリントの大きさが批判されており、エネルギー効率に優れるXRPは企業などの支持を取り付けやすいのがメリットです。
SECとの裁判
リップルは2020年12月、SEC(米国証券取引委員会)から「証券登録なしでトークンを販売した」として提訴されました。その後、2023年7月にSECが一部敗訴したことで訴訟の棄却が決定しました。
これによりXRP価格は一時的に急騰し、将来性の観点からも楽観的な見方が広がっています。ただし、裁判は未だに完全決着に至っておらず、SECと和解に至らない場合は懸念が再燃する可能性もあります。
リップルとETF(上場投資信託)
リップルは、近い将来にETF(上場投資信託)の許可申し立てを行う可能性があります。現在はビットコインが申請中のETFですが、承認されれば価格急騰は必至との見方が優勢です。ビットコインがどこまで上がるかは不透明ですが、XPRは過去に記録したような二桁成長を達成するかもしれません。
XRPがETF承認に至るには、前述のSEC裁判の決着とビットコインのETF承認という2つの障壁をクリアする必要があります。現時点では楽観的な見方が多く、リップルは将来性や今後の見通しが明るい仮想通貨と結論づけても良いでしょう。
リップル(XRP)と他の仮想通貨の比較
リップル(XRP)は比較対象の仮想通貨が多く、特にRoxe(ROC)とDash(DASH)は直接競合する銘柄とみなされています。また、今後の仮想通貨の上場予定一覧を確認することで競合トークンを把握できます。
Dash(DASH)
Dash(DASH)は、リップルと似たブロックチェーンインフラストラクチャです。XRPと同様、国境を越えて迅速かつ安価な国際取引を可能としています。高いセキュリティと高速な取引が特徴で、リップルよりも分散的かつ柔軟性に優れます。
ただし、Dashの市場総額はリップルの約100分の1です(3億ドル)。直近の値動きも低調を極めており、当分の間はXRP優位の情勢に変わりはないでしょう。アルトコインのひとつとして検討できますが、リップルとともに保有するのも選択肢のひとつです。
イーサリアム(ETH)
イーサリアム(ETH)も、リップルと比較されることのある仮想通貨です。最近になって高効率のプルーフ・オブ・ステークに移行したイーサは、エネルギー効率などの面でXRPと競合します。
イーサリアムは2024年に大型アップデート(2.0)を終える予定で、これによりXRPを大きく引き離す可能性もあります。リップルがETHの価格上昇に牽引される可能性も否定できず、イーサリアムの今後は特に注目だと言えるでしょう。
よくある質問
リップルに関して、よくある質問をまとめてみました。
リップル(XRP)の購入価格は?
現在のリップル価格は0.5ドルです。最新の価格は異なる可能性がありますので、正確な価格が知りたい人は仮想通貨取引所でチェックしてみてください。[/A1]
リップル(XRP)は安全?
リップル(XRP)は安全に購入および使用できます。ただし、価格変動から資産を失う可能性もありますので、仮想通貨に投資する際は慎重に判断するようにしましょう。
リップル(XRP)の用途は?
リップルとXRPは、迅速かつ安価な国際取引を可能にするプロジェクトです。そのため、金融ビジネスの分野で特に用途の多いコインだと言えます。実用的な側面だけでなく、XRPは投資用の仮想通貨としても優れています。
リップル(XRP)の使い方は?
リップル(XRP)は、異なる国間での資金送金に用いられます。主に企業を対象とした通貨ですが、個人が商品やサービスに対する代金として使用することもできます。
リップル(XRP)の2025年の価格予想は?
Changellyの価格予想によると、2025年のXRPの平均価格は0.813ドル程度に上昇する可能性があります。これは現在の水準から60%の価格上昇を意味し、リップルに対して楽観的な見方があることを表しています。ただし、仮想通貨への投資は常にリスクを伴います。
リップル(XRP)は良い投資か?
他の仮想通貨と同様、リップル(XRP)が良い投資かどうかを予測するのは難しいと言えます。プラス材料が多く存在する一方、裁判や他のプロジェクトの動向など、不確実な要素が多いのも事実です。そのため、リップルへの投資判断は慎重に行う必要があります。