グレースケール、複合型の仮想通貨5銘柄の承認をSECから取得

米SECは1日、米資産運用大手グレースケールのデジタル・ラージキャップ・ファンドを現物ETFに転換する申請を承認した。
この承認は、伝統的な金融市場における暗号資産(仮想通貨)関連商品の拡大を意味する重要な一歩となる。
デジタル・ラージキャップ・ファンドはこれまで、適格投資家向けの店頭商品として提供されてきた。
ファンドはビットコイン(BTC)が約80%を占め、イーサリアム(ETH)が11%、リップル(XRP)が4.8%、ソラナ(SOL)が2.8%、カルダノ(ADA)が0.8%の比率で構成されている。
複数資産ETF承認の背景
今回のETF転換により、個人および機関投資家は規制された単一の商品を通じて、複数の主要な仮想通貨へより簡単にアクセスできるようになる。
この動きは、同社が2024年にビットコイン投信の現物ETF転換を巡る裁判で勝訴し、同様の商品の承認に向けた規制上の前例を築いたことに続くものだ。
また、今回の承認は、仮想通貨の現物ETFに対する米SECの姿勢が軟化していることを示している。
背景には、グレースケールが過去の訴訟で勝利したことや、すでに市場に投入されているビットコインETFが好調な実績を上げていることがある。
グレースケールは2025年、米SECの要件に従って修正されたS-3フォームを提出し、正式にETFへの転換を申請していた。
同社の積極的なコンプライアンスへの取り組みが承認につながった形だ。
また、多様な仮想通貨ポートフォリオへの機関投資家の関心が高まる一方で、同様の複数資産を扱うETFが存在しなかったことも、米SECの決定を後押しした要因だ。
米SECが仮想通貨市場のインフラの成熟と投資家需要を認識し始めていることがうかがえる。
市場への影響と今後の展望
新しく承認されたETFは、仮想通貨市場全体への資金流入を促進すると期待されている。
特に、既存のETFでは比率が低かったリップルやソラナ、カルダノといったアルトコインへの関心が高まる。
アナリストは、今回の承認がリップル、ソラナ、カルダノの単一資産ETFの登場に向けた道を開く可能性があると指摘している。
これが実現すれば、これらの仮想通貨が主流の金融システムにさらに普及するきっかけとなる。
米SECの今回の決定は、規制の厳格さを維持しつつも、市場の革新を受け入れるという、進化する姿勢を反映している。