イーサリアム、供給量が100万ETH増加|マージ以降で

イーサリアム(ETH)はこのほど、ETH供給量が大型アップグレード以降、100万ETH以上増加していることが分かった。
ステーキング報酬がバーンを上回る
イーサリアムは2022年9月の大型アップグレード「マージ」で、取引承認の仕組みをプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行した。
移行後、新規発行量は1日あたり約1万5000ETHから約1500ETHへと大幅に減少している。手数料の一部を消滅させるバーン(焼却)機能と合わせ、供給量が減少するデフレ傾向が市場から期待されていた。
しかし、最新のデータによると、マージ以降の供給量は純増となっている。ネットワークの安全性を保つためのステーキング報酬として、約300万ETHが新たに発行された。
一方で、取引手数料としてバーンされたのは約200万ETHにとどまっている。その結果、現在の総供給量は約1億2153万ETHに達した。
年間のインフレ率は約0.24%で推移している。これはマージ以前の水準や、同時期のビットコイン(BTC)の発行率と比較しても低い数値だ。
供給量は増加に転じているものの、全体としての発行ペースは依然として低く抑えられている。
レイヤー2の普及が影響
供給量増加の背景には、2024年3月に実施された「デンクン」アップグレードがある。このアップグレードで、レイヤー2ネットワークがメインネットにデータを書き込む際のコストが大幅に削減された。
利用者の取引の多くが安価なレイヤー2に移行した結果、メインネットであるレイヤー1のガス代(手数料)は大きく低下している。
ガス代の低下は、バーンされるイーサリアムの量を直接的に減少させる要因となった。かつては1日あたり最大2300万ドルに達していたレイヤー1のガス代は、630万ドル規模まで縮小している。
手数料収入よりもネットワーク全体の普及を優先する開発方針が、現在の供給量推移に表れている。
イーサリアムは「超音波マネー」と呼ばれ、供給量が減少し続ける資産として注目を集めていた。
現在はレイヤー2の成長に伴い、緩やかなインフレ状態へと移行している。
それでも年間の発行率は1%未満を維持しており、市場の需給バランスへの影響は限定的とみられている。