新トランプ政権、SEC委員長候補にロビンフッドCLOを選出
米ドナルド・トランプ新大統領の政権移行チームは8日、証券取引委員会(SEC)の次期委員長の候補者の1人として、株式および暗号資産(仮想通貨)プラットフォーム「ロビンフッド」のダン・ギャラガー最高法務責任者(CLO)を挙げていることが分かった。
ギャラガー氏は、2011年から2015年までSECに務めた経験があり、仮想通貨規制に寛容な立場を取っていることで知られる。
この動きは、SECのゲイリー・ゲンスラー現委員長を辞任させ、新たなSEC委員長を任命しようとする動きの一環と考えられている。
トランプ氏は以前、大統領に当選した場合、「大統領就任の初日にゲンスラー氏を解雇する。」という発言もしている。
ゲンスラー氏と仮想通貨業界
ゲンスラー氏は、仮想通貨業界に対して厳しい規制や取り締まりを行っており、業界関係者からは反発を受け多くの敵を作っている。
特筆すべきは同氏が、「中央集権型取引所での仮想通貨取引の大半は証券法に違反している。」という姿勢を示していることだ。
これまでも、「ロビンフッド」や分散型金融(DeFi)「ユニスワップ」などのプラットホームがSECからウェルズ通知(規制勧告)を受け取るなど、さまざまな規制の目を向けられてきた。
一方トランプ氏は、ビットコイン(BTC)など仮想通貨を積極的に採用することで、米国の地位拡大と継続的な発展を支援する姿勢を見せている。
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任期終了前の辞任も?
同氏の任期は2026年まで続く予定だ。また、大統領が理由なく同氏を解任することはできない。
しかし大統領には、同氏を委員長から降格させ、代わりに別の 委員長を任命する権限が与えられている。
以前にも、トランプ大統領が指名したジェイ・クレイトン氏がジョー・バイデン氏の就任式前に辞任した。バラク・オバマ氏が指名したメアリー・ジョー・ホワイト氏がトランプ大統領就任式の日に辞任した。
加えて、同氏はトランプ大統領の計画を知っているため、1月の大統領就任式前に辞任する可能性も噂されている。
その場合、ジョー・バイデン現大統領が、民主党委員の中からSEC委員長を任命し、トランプ就任後に続行もしくは新たな委員長を指名することになる。