リップル社とSECの和解案、NY地裁が却下|罰金減額も認めず

ニューヨーク地方裁判所のアナリサ・トーレス判事は26日、リップル社と米SECによる差止命令の解除を求める共同要請を再び却下した。
両者は昨年下された永久差止命令の終了と、1億2500万ドルの民事罰金を60%減額することを求めていた。
しかし、判事は公益を理由にこの要請を認めなかった。
訴訟の背景と経緯
この訴訟は、2020年に米SECがリップル社をリップル(XRP)の未登録証券販売で提訴したことに端を発する。
トーレス判事は2023年7月、一般取引所を介したリップルの販売は有価証券に該当しないと判断した。
その一方で、機関投資家向けの販売は連邦証券法に違反すると認定した。
この判決を受け、裁判所は将来の違反を禁じる永久差止命令と、1億2500万ドルの民事罰金を科した。
その後、リップル社と米SECは例外的な状況を主張し、罰金を5000万ドルに減額し、差止命令を撤回する和解案を共同で提出していた。
裁判所が要請を却下した理由
トーレス判事は、違反行為の再発を防ぐために差止命令が必要であると強調した。
判事はリップル社が過去の違反行為から利益を得ており、同様の行為を繰り返す動機があると指摘している。
差止命令の解除を正当化する過去の判例があるとの主張も退けた。罰金や差止命令なしで和解した過去の事例は、リップル社の状況とは類似点がないと判断した。
米SECは近年の指導部交代により、暗号資産(仮想通貨)に対してより友好的な姿勢を見せている。
しかし、裁判所は新たな規制姿勢よりも、下された判決の最終性を優先する立場を示した。
今回の決定により、控訴手続きが続く間、差止命令は有効に維持される。
これにより、リップル社の機関投資家向けの販売活動は引き続き制限されることになる。
この判決は、リップルだけでなく、同様の規制上の課題に直面する他のアルトコイン市場全体にも影響を与える。