仮想通貨投資に9週連続の流入、年初来132億ドルで過去最高に

暗号資産(仮想通貨)を対象とするデジタル資産投資商品が、16日までの1週間で19億ドル(約2,736億円)の資金流入を記録し、9週連続の純流入となった。
これにより、2025年の年初来累計流入額は132億ドル(約1兆8,908億円)に達し、過去最高を更新している。
ビットコインが回復、イーサリアムは2月以来の週次最高流入
今回の流入の中心となったのは、ビットコインとイーサリアムだ。
ビットコインは、直近2週間の小規模な資金流出から転じて13億ドル(約1,872億円)の純流入を記録。現物ETFを通じた投資家の買いが続いたことで、反転の兆しが強まった。
イーサリアムはそれを上回る勢いを見せ、1週間で5億8,300万ドル(約839億5,200万円)が流入。これは2月以来の最高額となり、累計では20億ドル(約2,880億円)を突破した。
SharpLink社が1週間で176,271 ETH(約4億6,300万ドル)を購入し、公開企業として最大のETH保有者となったことも、投資家心理の改善に貢献している。
米国が流入を主導、香港・ブラジルは流出超に
地域別では、米国市場からの資金流入が圧倒的だった。19億ドルのうち、ほとんどが米国から流入しており、他地域を大きく引き離した。
スイス(2,070万ドル)、ドイツ(3,920万ドル)、カナダ(1,210万ドル)も堅調な流入を維持した。
一方で、香港とブラジルではそれぞれ5,680万ドル、850万ドルの流出が確認され、地域間の温度差が浮き彫りとなっている。
その他の銘柄では、リップルが1,180万ドル、Suiが350万ドルの流入を記録し、主要コイン以外への関心も一定の広がりを見せた。
ビットコインの価格下落を見込む「ショートビットコイン商品」への資金はわずか370万ドルにとどまっている。
FRBの金融政策が不透明感を残す中、資金流入は継続
金融市場全体では、FRBの金利政策に対する不確実性が投資家心理に影を落としている。
インフレ目標の達成が見通せない中、一部の投資家は様子見姿勢を取っているが、それでもデジタル資産への資金流入は続いている。
今回の資金動向は、機関投資家による仮想通貨市場への信頼が根強いことを示しており、特にETFを通じた安定的なエクスポージャー獲得が市場参加者の支持を集めている。
今後のFRB声明やETF関連の制度変更が、市場トレンドに影響を与える可能性がある。