サム・アルトマン氏主導World、Web3ゲーム大手と計画進行

OpenAIのサム・アルトマン氏が共同設立したWorldプロジェクトはこのほど、大手Web3ゲームスタジオのMythical Gamesとの提携を通じて、人間のゲーマーとボットをゲーム内で区別する計画を進めている。
AI時代における「人間証明」の重要性
Mythical Gamesは、FIFAやNFL、Pudgy Penguinといった有名ブランドのゲームを開発した実績を持つ。同社はWorldの「人間性の証明」ネットワークを活用し、ゲーム内のプレイヤーが本物の人間であることを証明する仕組みを導入する。
この背景には、デジタル環境における人間とAIエージェントの区別がますます困難になっているという課題がある。
アルトマン氏は、AIが高度化すれば、オンライン上の情報が人間によるものかAIによるものか判別できなくなると予測していた。
特にゲームの世界では、ボットによる不正行為やWeb3ゲーム内経済の操作が長年の問題となっている。
Worldの技術は、公正なプレイ環境を維持し、本物のユーザー体験を保護するための新たなインフラとなる可能性を秘めている。
事業拡大とプライバシーへの懸念
Worldプロジェクトは、2019年にTools for Humanityを通じて設立された。
その中核技術はOrbと呼ばれる球体のデバイスで、虹彩をスキャンして固有のIDコードを発行する。
ユーザーは生体認証のインセンティブとして、ワールドコイン(WLD)受け取ることができた。
プロジェクトはAndreessen Horowitzなどのベンチャーキャピタルから2億5,000万ドルを調達し、2023年に本格始動した。
提携発表と同日、同社はサンフランシスコで新型の携帯型認証デバイスOrb Miniを発表。同時に、アトランタやロサンゼルスなど米国内の主要都市で認証拠点を設けるなど、米国市場への本格的な拡大も明らかにした。
しかし、この生体情報の収集プロセスに対しては、プライバシー侵害の懸念が複数の国で指摘されている。
一部の専門家からは、その技術に対する批判的な声も上がっている。
こうした懸念にもかかわらず、Worldは2025年末までに5,000万人の認証を目指すという野心的な目標を掲げている。
将来的には、ゲームだけでなく金融取引など、人間証明が必要とされる多様なデジタルプラットフォームでの活用を見据えている。