トランプ氏の仮想通貨プロジェクト|目標額の3%にとどまる

ドナルド・トランプ元米大統領は15日、自身が支援する暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」の初期トークン販売を開始した。
同氏は「仮想通貨は未来だ」と宣言したものの、販売は目標額を大きく下回る結果となっている。
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WLFIプロジェクトの概要と初期販売の結果
Today’s the day! @WorldLibertyFi token sale is live. Get your $WLFI tokens now. Purchase $WLFI here: https://t.co/jg1tOaHHBy pic.twitter.com/j8ewxa13wp
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 15, 2024
WLFIプロジェクトは、分散型金融(DeFi)プロトコルとして位置づけられており、ユーザーの借入や貸付などの金融活動に革命をもたらすことを目指している。
しかし、初期の反応は芳しくなく、一部の批評家からはプロジェクトの正当性や長期的な見通しに疑問の声が上がっている。
販売開始から1時間で500万ドル(約7億4865万円)を調達するなど、当初は強い需要が見られた。しかし、その後は技術的な問題に直面し、販売は大幅に減速。
*TRUMP’S WLFI PRESALE RAISES $5M IN FIRST HOUR
*WLFI SITE FACES ON-AND-OFF DOWNTIME, NO TOKEN PURCHASES IN LAST 8 MINUTES
— db (@tier10k) October 15, 2024
火曜日の夜遅くまでに調達された金額は915万ドル(約13億7003万円)にとどまり、3億ドル(約449億1900万円)という目標額には程遠い結果となっている。
技術的問題と販売の低迷
WLFIのアドバイザーであり、Scrollブロックチェーンネットワークの共同創設者でもあるサンディ・ペン氏によると、プラットフォームは最初の1時間で7200万件のユニークアクセスを記録。
これは予想をはるかに上回る数字で、サイトが何度もクラッシュする原因となった。
潜在的な投資家はサイトにアクセスできない状況に陥り、トークン販売の低迷に拍車をかけた。1日の終わりまでに販売されたトークンは3億4400万個で、これは購入可能な総数200億個のわずか1.7%に過ぎない。
WLFIトークンの特徴と課題
WLFIトークンは1個0.015ドル(約2.25円)で価格設定されており、World Liberty Financialプラットフォームのガバナンストークンとして機能する予定だ。
保有者はプラットフォームの変更や更新に対する投票権を持つことになる。
ただし、トークンは最初の1年間は譲渡不可能で、スマートコントラクトにロックされ、流動性が制限される。
トランプ氏はこのプロジェクトを仮想通貨の主流化に向けた大きな一歩と位置づけているが、プラットフォームの初期の問題により、3億ドルの資金調達目標は大きく揺らいでいる。
注目すべきは、WLFIの販売が非米国人と認定された米国投資家に限定されており、潜在的な購入者のプールが制限されていることだ。
10万人以上の認定投資家が販売に登録したと報告されているにもかかわらず、技術的な問題や販売の制限的な性質により、プロジェクトが目標を達成するのに十分な牽引力を得られるかどうか疑問視する声も上がっている。
仮想通貨市場への影響と今後の展望
一方で、トランプ氏の仮想通貨業界への参入は、ビットコインの価格を10月に約15%押し上げる効果をもたらしている。
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World Liberty Financialプロジェクトの今後の展開と、仮想通貨市場全体への影響について、引き続き注目が集まりそうだ。