テザー社、南米インフラ企業Parfinへ出資|USDTの普及加速へ

ステーブルコイン発行企業のテザー社は20日、ラテンアメリカで事業展開するデジタル資産インフラ企業Parfinへの出資を公表した。
同地域における機関投資家によるステーブルコインのテザー(USDT)採用を加速させる狙いがある。
機関投資家向けインフラ整備を強化
テザー社が出資を発表したParfinは2019年設立で、ロンドンとリオデジャネイロを拠点とするフィンテック企業だ。
デジタル資産のカストディ(保管)、取引、資産管理、およびブロックチェーンインフラサービスを提供している。
同社が開発したRaylsは、許可型のイーサリアム仮想マシン互換ブロックチェーンで、コンプライアンスとプライバシーを確保したオンチェーンワークフローを実現する。
テザー社によると、Parfinのプラットフォームは金融機関の規制およびセキュリティ要件を満たすことに特化している。
今回の提携により、銀行やフィンテック企業などの機関顧客が業務や決済目的でブロックチェーンシステムを導入する際、USDTを統合しやすくなる。
具体的には、グローバル決済や現実資産のトークン化、クレジット市場の決済といったユースケースの拡大を目指す。
約1兆5000億ドル規模の南米市場で戦略展開
ラテンアメリカの暗号資産(仮想通貨)投資の取引量は急増している。
ブロックチェーン分析会社チェイナリシスによると、2022年7月から2025年6月までの期間で約1兆5000億ドルに達した。
テザー社のパオロ・アルドイノCEOは、ラテンアメリカの人々が銀行システムの空白を埋めるために仮想通貨を利用していると指摘。
日常的な支払いや貯蓄、SWIFTの高額な手数料を回避した安価な送金手段としてステーブルコインが普及しているためだ。
今回の動きはテザー社による広範な地域拡大戦略の一環。
同社はこれまでにコロンビアのフィンテック企業MansaやチリのOr ionxなどに出資を行ってきた。
エルサルバドル法の規制下にある投資部門Tether Investmentsを通じて、こうした戦略的な地域提携を進めている。
Parfinのマルコス・ヴィリアトCEOは今回の出資を「トークン化アプリケーションとUSDTの機関グレードのソリューションへの統合を加速させる強力な裏付け」と歓迎した。
両社は具体的な出資額を明らかにしていない。