Sui財団、メインネット停止に関する調査報告を公開

Sui Foundationは5月31日、メインネットで発生した3回のシステム停止に関するインシデントレビューを公開した。
アップグレードに伴うシステム停止の原因
スイ(SUI)ネットワークは28日と29日、メインネットで3回にわたるシステム停止を経験した。この障害は、ソフトウェアのバージョン1.72へのアップグレードに伴い導入された新機能が引き金となった。
具体的には、アドレス残高機能と新しいガス料金の請求ロジックに関連する不具合が原因だ。
最初の2回の停止は、ガス料金の支払い処理における予期せぬエラーがバリデータ(承認者)のシステムをクラッシュさせたことで発生した。
3回目の停止は、システム再起動時に特定のデータ状態が正しく保存されないという別のバグによるものだった。これらの障害により、ブロック生成や取引の実行が一時的に停止し、分散型金融(DeFi)などの活動に影響が出た。
しかし、開発チームはユーザーの資金が危険にさらされることは一度もなかったと強調している。確定済みの取引が取り消されることもなく、資産の保管機能自体には問題がなかった。
AIを活用した迅速な復旧と今後の対策
今回の障害対応において、開発チームは内部のAIエージェントを積極的に活用した。このAIツールはシステムの稼働状況やログデータに直接アクセスし、問題の診断を大幅に加速させた。
これにより、より多くの技術者がリアルタイムでシステムのデバッグ作業に参加できるようになり、迅速な復旧に貢献した。
インシデントレビューでは、今後の再発防止策についても詳細に触れられている。ガス料金の請求ロジックをよりシンプルでテストしやすい構造に改善する方針だ。
また、システム全体が停止するのを防ぐため、特定のエラーが発生した際の影響範囲を限定する新たな仕組みの導入も検討している。
さらに、AIを活用した運用ツールの開発にも引き続き注力していく構えだ。ネットワークの安定性を高めるための安全モードの強化など、インフラ全体の底上げを図る。
開発チームは今回の教訓を生かし、より堅牢なブロックチェーン環境の構築を目指し、ユーザーの信頼回復に努めている。