ソラナ創業者、L2は不要、L1がより速く安価でセキュアと主張

ソラナ(SOL)の共同創業者アナトリー・ヤコベンコ氏は23日、レイヤー2(L2)スケーリングソリューションに対する批判的見解を表明し、レイヤー1(L1)ブロックチェーンが速度、コスト、セキュリティ面で優位性を持つと主張した。
同氏は「L2を構築する理由はない。L1はより速く、安価で、セキュアになり得る」と投稿。L1が「氷河のように動くL1データ可用性スタックによって減速することがなく、複雑な不正証明やアップグレード用マルチシグによってセキュリティを妥協する必要もない」と強調した。
L1とL2の技術的差異
ヤコベンコ氏によれば、L2ソリューションはブロックチェーンの根本的なスケーラビリティ課題に効果的に対応できていないという。L2は主にイーサリアム(ETH)などのL1チェーンの混雑問題に対する一時的な解決策として位置づけられることが多い。
一方でソラナは、高いスループットとアプリケーション間のリアルタイム相互作用を可能にする同期的な組成能力に焦点を当て、L1ブロックチェーンの最適化に取り組んでいる。
ソラナの技術的優位性
SOLの強みは、ハードウェア最適化やプルーフ・オブ・ヒストリー、タービンなどの革新的技術への注力にある。これらの技術により、L2ソリューションと比較して高い効率性と低いレイテンシーを実現している点が特徴だ。
経済的側面では、L2は一般的にシーケンサーのみをサポートすれば良いため運用コストが低いとされる。しかし、ソラナのL1は安定した取引コストを維持しながら堅牢性を示してきた実績がある。
ヤコベンコ氏は、ソラナのアプローチが中核的なスケーラビリティ改善に焦点を当てることで、追加層の必要性を回避していると強調。これはL1とL2の支持者間で続く議論の中で重要な主張となっている。
ソラナエコシステム内の矛盾
興味深いことに、SOL自身がL2に反対する姿勢を示す一方で、そのエコシステム内ではL2ソリューションの探索が進んでいる。ZXなどのソラナ特有のL2は、イーサリアムのL2ソリューションとは異なるが、低い取引手数料と高速処理など類似した利点を提供することを目指している。
ソラナのL2開発の将来性については不透明な部分もあり、一部の投資家からはその潜在的な採用に対して懐疑的な見方も示されている。
そうした中でも、ソラナは非同期実行メカニズムなどの革新を続け、L1のパフォーマンスをさらに向上させる取り組みを進めている。この動きは、ブロックチェーン業界におけるスケーリングソリューションの多様化と競争の激化を示すものだ。
スケーリング論争の行方
ブロックチェーンのスケーリングに関する議論は、業界全体で重要なテーマとなっている。イーサリアムがL2ソリューションを積極的に採用する一方で、SOLはL1の最適化に重点を置く異なるアプローチを取っている。
この対照的な戦略は、ブロックチェーン技術の発展において複数の道筋があることを示している。ユーザーとデベロッパーにとっては、それぞれのアプローチの長所と短所を理解し、自分たちのニーズに最も適した分散型金融(DeFi)ソリューションを選択することが重要だろう。
今後も技術革新が進む中で、L1とL2のどちらが優位に立つか、あるいは両者が共存する形で業界が発展していくのかが注目される。
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