マイクロストラテジー、ビットコイン3000億円超相当を新規購入|総保有74万BTC超

米マイクロストラテジーは11日、約3076億円相当のビットコイン(BTC)を新規購入した。
世界最大の企業ビットコイン保有者として知られる同社は、10月31日から11月10日にかけて27,200BTCを取得。平均購入価格は1ビットコインあたり約74,463ドル(約1145万円)だった。
過去最高値で大量購入の背景
今回の購入資金は、株式の新規発行によって調達された。同社は8月と10月に締結した販売契約に基づき、約785万株を発行。この販売で得られた約20億ドル(約3076億円)を活用し、ビットコインの追加取得に充てた。
同社の保有ビットコイン数は27万9420枚となり、取得価格の総額は約119億ドル(約1兆8300億円)に達している。
平均取得価格は1BTCあたり約42692ドル(約657万円)で、現在の市場価格と比較すると大幅な含み益を抱えている状態だ。
資金調達については、8月に最大20億ドル(約3076億円)、10月には210億ドル(約3兆2294億円)の株式発行枠を設定。今回の調達で8月の販売契約はほぼ完了し、今後は10月の契約に基づいて株式発行を継続する予定だ。この積極的な資金調達は、同社のビットコイン取得戦略の重要な柱となっている。
年初来の収益率が26.4%に上昇
マイクロストラテジーは、ビットコイン保有量と発行済み株式数の比率の変化を示す「BTCイールド」という指標を重視している。10月1日から11月10日までの期間で7.3%、年初来では26.4%のBTCイールドを達成した。これは同社の戦略が株主価値の向上に寄与していることを示している。
BTCイールドは、同社が株式発行による資金調達でビットコインを購入する戦略が株主にとって価値を生み出しているかを評価する重要な指標となっている。
ただし、同社は配当を実施しておらず、この指標は株主への実際の収益分配を示すものではない点に注意が必要だ。
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企業としての今後の展開
マイクロストラテジーは自社を「世界初のビットコイン・トレジャリー・カンパニー」と位置付けている。株式や債券の発行による資金調達を通じて戦略的にビットコインを蓄積し、デジタル資本としての役割を提唱している。
また、人工知能(AI)を活用した企業向け分析ソフトウェアも提供しており、ビットコインアプリケーションの革新にも注力している。
同社の事業戦略は、伝統的な企業分析ソフトウェアビジネスとビットコイン投資を組み合わせたユニークなものだ。特に、AIとビットコインの技術を融合させることで、デジタル資産分野での競争優位性を確立しようとしている。
今後も株式や債券の発行による資金調達を継続し、暗号資産(仮想通貨)やビットコインの追加購入を検討していく方針だ。企業分析とデジタル資産の両分野でリーダーシップを発揮することで、長期的な価値創造を目指している。