イーサリアム、8万ドルに到達か|研究者21人がレポートで表明

暗号資産(仮想通貨)の専門家らは13日、イーサリアム(ETH)が過小評価されているとするレポートを公開した。
現在約2600ドルで取引される同資産について、将来的に8万ドル到達の可能性を指摘している。
レポートは「デジタル石油」としての価値を強調し、機関投資家への参入を促している。
デジタル石油として機能するイーサリアム
今回のレポートThe Bull Case for ETHは、リキッドステーキングプロトコルEtherfiの創設者マイク・シラガゼ氏やウィリアム・ムガヤール氏、Etherealizeのヴィヴェク・ラマン氏ら業界の専門家21人が執筆を担当した。
レポートでは、イーサリアムが分散型金融やスマートコントラクト、資産のトークン化において不可欠な役割を担うデジタル石油として機能していると指摘。
現在の市場価格は投機的な感情のみを反映しており、本来の実用価値が十分に評価されていないと論じている。
専門家らは中期的な価格目標として8千ドル超え、次のサイクルでは8万ドルという強気な予測を示した。
2025年末までには5千ドル以上での終値を見込んでおり、イーサリアムが単なる投機対象ではなく、Web3を支える重要なインフラであることを強調している。
機関投資家参入と成長要因
価格上昇の主要因として、機関投資家の本格参入が挙げられる。
ブラックロックのような大手金融機関による仮想通貨市場への参入により、イーサリアムETFへの期待が高まっている。
さらに、不動産やコモディティといった現実資産をイーサリアム上でトークン化する動きも加速。
伝統的な金融市場の仕組みを反映した新たな金融インフラとして、イーサリアムの需要増加が見込まれている。
短期目標と市場の反応
一方で、全ての専門家が同じ見解を持っているわけではない。スマートコントラクト監査企業CertiKのロンフイ・グーCEOは2030年までに3万ドルから5万ドルという、より保守的な予測を発表している。
市場調査会社Changellyは2025年6月の価格を3321ドルと推定するなど、予測にはばらつきが見られる。
短期的な重要な節目として、2千ドルの回復と3850ドルの突破が注目される。これらの価格水準を上抜ければ、新たな上昇トレンドの始まりとなる可能性が高い。
現在、イーサリアムのステーキング量は過去最高を更新しており、3460万ETH以上がプルーフ・オブ・ステーク(PoS)システムにロックされている。
2025年は、新しい仮想通貨が投機的資産から実用的な金融インフラへと移行できるかを占う重要な年になる。