イーロン・マスク氏、40兆円のドージコイン訴訟が終結

有名企業家イーロン・マスク氏とテスラ社を訴えていたドージコイン DOGE -2.40%の投資家は14日、2580億ドル(約40兆円)の訴訟について訴えを取り下げ、法廷闘争が終結した。
双方の弁護士は、マンハッタン連邦裁判所に訴訟終結の申し立てを提出。これにより、9月に提出された控訴と、マスク氏側からの制裁申し立ても取り下げられた。
ドージコイン投資家によるマスク氏への訴訟
この訴訟は、マスク氏が自身の影響力を利用して「パンプ・アンド・ダンプ(価格を意図的に釣り上げて売り抜ける市場操作)」を行ったと主張していた。
主張の中では、マスク氏のSNSでの発言、「サタデー・ナイト・ライブ」への出演、X(旧Twitter)のロゴを一時的にドージコインのマスコットに変更した行為なども、価格操作の一環として指摘されていた。
投資家らは2580億ドル(約40兆円)の損害賠償を求めたが、米連邦地方裁判所のアルビン・K・ヘラースタイン判事は、8月に訴訟を棄却した。
マスク氏の発言について、誇大宣伝に相当するものの、詐欺や市場操作を証明するには不十分という判断だ。
法廷での攻防
当初の申し立てでは、マスク氏が自身の立場を利用し、有名人やインフルエンサーのネットワークを形成。意図的にドージコインの価格、時価総額、取引量を押し上げたと主張していた。
訴訟の過程では、投資家側弁護士のエヴァン・スペンサー氏が、テスラの法務チームから脅迫や嫌がらせを受けたと主張。これに対しマスク氏とテスラ社は、訴訟に根拠がないとしてスペンサー氏への制裁を求めて反撃した。
今回の和解では、マスク氏側は制裁を取り下げることに同意。スペンサー氏の訴訟費用水増し疑惑を含む両者の主張が取り下げられ、訴訟に終止符が打たれた。
ドージコイン価格への影響
法廷での争いが落ち着きを見せる中、ドージコインは引き続きマスク氏のブランドイメージの一部であり続けている。同コインの価格は、最近の政治・経済動向を追い風に、一時60円まで上昇。
さらに政府効率化省(通称:DOGE)の共同責任者にマスク氏が任命されたことで、同氏とドージコインの今後の関係は、新たな展開を見せている。
トランプ氏の当選以降、ドージコインは150%超の値上がりを見せており、今後の価格動向にも期待が寄せられている。