DeFi市場、3月に大幅な収益減少で苦戦|TVL大幅減少の要因

DeFiセクターは2025年第1四半期に大幅な収益減少を記録し、総ロック値(TVL)が27%減少して1560億ドル(約22兆6200億円)まで落ち込んだ。
この急激な下落は、継続する経済的不確実性と、バイビット(Bybit)で発生した大規模ハッキング事件などが主な要因とされている。
イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、トロン(TRX)といった主要ブロックチェーンでは、特に著しいTVLの減少が確認された。
主要ブロックチェーンの大幅な資金流出
最大手のイーサリアムは37%のTVL減少を記録し、960億ドル(約13兆9200億円)まで落ち込んだ。
一方、スイ(SUI)はトップチェーンの中で最も厳しい44%の下落を経験し、TVLが20億ドル(約2900億円)にまで減少した。
この市場全体の低迷は、マクロ経済の不安定さによる投資家の慎重姿勢が強く影響している。
2月に発生したバイビットへのハッキング事件は、DeFi(分散型金融)プラットフォームへの信頼を損ね、活動のさらなる減少につながった。
ステーブルコイン準備金の低下と高いトークン引き出しを経験したブロックチェーンは、イーサリアムなどのトークン価格下落によってさらに圧力を受けている。
また、規制環境の不確実性も投資家心理に影響を与える重要な要素となっている。
AI・ソーシャルアプリの成長とDeFiの例外的成功事例
DeFiセクター全体が苦戦する中、AIとソーシャルアプリケーションは成長を続けている。
AI関連プロトコルでは固有のアクティブウォレット数が29%増加し、ソーシャルdappsもユーザー活動で10%の増加を報告した。
また、新たに立ち上げられたベラチェーン(Berachain)は、トップ10ブロックチェーンの中で唯一のプラス成長を示し、2月6日から3月31日までの間に51億7000万ドル(約7496億円)のTVLを蓄積した点が注目される。
NFTとGameFiも市場低迷の波に
DeFiセクターの苦戦はNFT(非代替性トークン)市場にも波及し、取引量が25%減少して15億ドル(約2175億円)に落ち込んだ。
同時に、GameFiセクターも同様に大幅な後退を経験している。
この全体的な市場低迷は、今後の規制改革や立法措置によってさらに影響を受ける可能性があり、投資家の信頼回復には時間がかかると専門家は分析している。
DeFiセクターは2025年後半に向けて、セキュリティ強化と新たな革新を模索していくことが予想される。
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