香港企業DDC、21ビットコイン購入|3年で5000BTC保有へ

香港を拠点とする食品会社DDC Enterprise(DDC)は23日、21ビットコイン(BTC)を購入し、3年間で5000BTCを蓄積する戦略を開始した。
同社は25万4333株のクラスA普通株式と引き換えに約228万ドル(約3億2600万円)相当のビットコインを取得した。
この購入は企業の資産戦略として暗号資産(仮想通貨)を採用する動きの一環となっている。
段階的な購入計画で100BTC目標
DDC Enterpriseは「DayDayCook」ブランドでも知られ、ニューヨーク証券取引所に上場している。
同社は今後数日間でさらに79BTCを購入し、当初の保有目標である100BTCに到達する予定としている。
5月15日に発表された株主向け書簡で、創業者兼CEOのノーマ・チュー氏は6カ月以内に500BTC、3年以内に5000BTCの蓄積を目指すと表明していた。
この計画が完了すれば、DDCは公開企業のビットコイン保有量でトップ10圏外に位置し、現在7800BTCを保有する日本の投資会社メタプラネットに次ぐ規模となる。
株価は一時14.5%下落も時間外で回復
発表を受けてDDC株は5月23日の取引で14.5%下落したが、時間外取引では2.43%回復し3.79ドルとなった。
同社株は年初来で27%超の下落となっており、今回のビットコイン戦略が長期的な回復の推進力となるかが注目されている。
一般的に企業がビットコインを財務戦略に採用すると株価上昇が見られる傾向にあるが、DDCの場合は市場全体の下落も影響した。
今月初めにビットコイン財務計画を発表したデジアジアが単一取引セッションで90%超の株価上昇を記録したのとは対照的な結果となった。
アジア企業の仮想通貨採用拡大
DDCのビットコイン購入は、アジア地域での企業による新しい仮想通貨採用の拡大傾向を示している。
中国の電気自動車小売業者である九紫ホールディングスも5月22日に年内1000BTC購入計画を承認するなど、同様の動きが続いている。
また香港立法会が先週ステーブルコイン法案を可決し、デジタル資産の規制枠組みを確立したことも、企業の仮想通貨購入を後押しする要因となっている。
DDCは2024年に売上高3740万ドル(前年比33%増)、粗利益率28.4%(前年25.0%)を記録するなど、好調な業績を背景にこの戦略を実行に移している。