ビットワイズCIO、法定通貨の問題指摘|金とBTCに資金流入か

暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズのマット・ホーガンCIOは18日、世界が法定通貨の「狂気じみた実験」から目覚めつつあると述べた。
同氏は顧客向けメモで、中央銀行が記録的な量の金を購入し、個人投機家がビットコイン(BTC)に注目している現状を指摘した。
中央銀行と個人の資産分散戦略
中央銀行は2008年の金融危機後から金購入を拡大し、2022年のロシアのウクライナ侵攻後はさらに加速している。
米国債務が37兆ドルに近づく中、金は昨年ユーロを抜いて第2位の準備資産となった。
一方で個人購入者は主にビットコインに向かっている。
2024年1月の米国ビットコイン現物ETF開始以来、約450億ドルがビットコインファンドに流入し、同期間の金ETFへの340億ドルを上回った。
供給不足が支える20万ドル予測
ホーガン氏は5月にトロントで開催されたConsensus 2025で、2025年末までにビットコイン価格が20万ドルに達するという予測を維持すると表明した。
同氏によると、ビットコインの年間新規発行量は16万5000BTCに制限されているが、上場企業だけで既にそれを上回る量を購入している。
ETFによる60億ドルの資金流入と政府機関による購入予定を踏まえ、需要と供給の構造的な不均衡が価格上昇要因になると分析。
95%のビットコインがクジラに保有され、95%の世界の購入可能資本が仮想通貨を未購入という状況も追い風とした。
機関投資家参入で従来サイクル変化
ビットワイズは現在約40億ドルの資産を運用し、過去18カ月で運用資産が10倍に増加した。
ホーガン氏はクジラの本格参入により、従来の4年周期での大幅下落は過去の遺物になる可能性があると予測している。
同氏は「法定通貨に完全依存する従来の株式・債券ポートフォリオはリスクの高い状況」と警告し、金と新しい仮想通貨が価値保存手段として補完的な役割を果たすと結論付けた。