米ビットコインETF、3億5800万ドル流出で10日連続流入終了

米スポットビットコイン上場投資信託(ETF)は29日、3億5800万ドルの流出を記録し、10日間続いた流入記録が途切れた。
今回の流出額は3月11日以来の最大規模となり、これまでの連続流入で総額42億6000万ドルが流入していた記録が一時的に途切れる形となった。
一方で、スポットイーサリアムETFは9193万ドルの流入で9日連続の流入を継続。この対照的な動きは、暗号資産(仮想通貨)市場における投資家心理の変化を反映している。
流出要因とETF別の明暗
フィデリティのFBTCが1億6632万ドルの最大流出を記録し、グレースケールのGBTCも1億753万ドルの流出となった。
続いてARKとのARKBが8922万ドル、ビットワイズのBITBが7085万ドルの流出を記録した。VanEck、Valkyrie、Invesco、Franklin Templetonの各ETFも流出を経験している。
一方で、ブラックロックのIBITは唯一1億2500万ドルの流入を記録し、市場全体の流出傾向に逆行した。これは機関投資家からの根強い信頼と、長期的な投資戦略を反映している結果とみられる。
イーサリアムETFの堅調な推移
イーサリアム(ETH)市場では対照的に堅調な流入が継続している。スポットイーサリアムETFは9193万ドルの流入を記録し、9日連続の流入記録を延長した。
イーサリアム価格は過去24時間で3.3%下落し2639ドルで取引されているものの、ETF市場では投資家の関心が高まっている。
ビットコインETF全体の取引高は53億9000万ドルに達し、前日の35億ドルから大幅に増加した。これは市場の不安定さを示すと同時に、投資家の活発な売買を反映している。
ETF市場の資金動向は暗号資産(仮想通貨)価格に直接的な影響を与える重要な指標となっている。累積純流入額は前日の453億4000万ドルから449億9000万ドルに減少したが、長期的な機関投資家の参入トレンドは継続している。
今後のビットコイン市場動向は、ETF資金フローの変化と政策環境の推移に左右される可能性が高い。