BNBチェーン、AIエージェント向け新ブロックチェーン開発へ

BNBチェーン(BNB Chain)は8日、AI駆動の自律型取引に特化した新たなブロックチェーンを開発すると発表した。
中央集権型取引所に迫る処理速度を目指す
BNBチェーンが公開した2026年下半期の技術ロードマップによると、新プロジェクトはエコシステム内で4番目のチェーンとなる。
今回のチェーンは、既存の分散型金融(DeFi)環境を置き換えるものではない。自律的に取引を行うAIエージェントや高頻度取引システムに最適化された、実行特化型の基盤として機能する。
報道によると、新しいチェーンは50ミリ秒未満のトランザクション事前確認と、1秒未満のブロック確定を目指している。さらに、1秒あたり10万件以上の処理能力(TPS)を目標に掲げている。
現在は設計段階にあり、2026年末までにテストネットを公開し、2027年初頭のメインネット稼働を予定している。
この高い処理能力は、将来的なアルトコインシーズンにおける取引急増にも耐えうる設計となっている。
BNBチェーンのDavid Z CTOは、中央集権型取引所(CEX)と同等の迅速で予測可能な取引体験の提供を目標としていると説明した。
同時に、ユーザー自身が資産を管理するセルフカストディや、オンチェーンの透明性を維持する方針だ。一般的なユーザーにとって、50ミリ秒未満の遅延は現在のCEXで体感する速度とほぼ変わらないという。
セキュリティ向上とエコシステムの拡大
新チェーンの大きな特徴は、取引の待機場所であるパブリックメンプールを廃止した点だ。「TxStream」と呼ばれる仕組みを導入し、取引データをブロック生成者に直接送信する。
取引の順序が公開前に確定するため、攻撃者が未承認の取引を監視して利益を横取りするサンドイッチ攻撃などを防ぐ効果が期待される。
既存のBNBスマートチェーン(BNB Smart Chain)は、引き続き決済ハブとしての役割を担う。
新しいチェーンとは公式のブリッジ機能で接続され、暗号資産(仮想通貨)のBNBが共通の資産として利用される。
流動性を分散させることなく、超低遅延の取引や機関投資家向けの注文処理といった新たな需要を取り込む狙いがある。基軸通貨としてのBNBの需要も、さらに高まることが予想される。
2026年前半から、BNBチェーン上では数万規模のAIエージェントが稼働し、予測市場やゲームなどで活用されている。こうした活動の増加が、より高い処理能力と低い遅延を求める要因となった。
人工知能(AI)の進化は、ブロックチェーン技術との融合をさらに加速させている。
開発チームは、量子コンピューターの脅威に備えたセキュリティ技術の検証も進めており、長期的な安全性の確保にも注力している。