量子コンピュータで暗号解読に成功、1BTCの賞金獲得

量子コンピュータのリスク対策ソリューションを開発するプロジェクト・イレブンは24日、独立系研究者が公開量子コンピュータを用いて15ビットの暗号鍵の解読に成功した。
記録的な暗号解読と賞金授与
独立系研究者のジャンカルロ・レリ氏は、IBMが公開している量子コンピュータを使用し、15ビットの楕円曲線暗号(ECC)鍵を解読した。
これは2024年9月に確認された以前の記録と比較して、512倍の規模拡大となる。解読には27の物理量子ビットが使用され、約45分で計算が完了した。
従来のコンピュータでは数千年かかるとされる計算を短時間で終えたことになる。
プロジェクト・イレブンは、デジタル資産向けの耐量子インフラ開発に注力している企業だ。同社は公開量子ハードウェアを用いて最大のECC鍵を解読した者に賞金を出すコンペティションを開催していた。
今回の成功を受け、同社はレリ氏に賞金として1 BTCを授与した。当時の価値で約7万8,000ドルに相当する。
クラウド経由でアクセス可能な量子ハードウェアが進歩したことで、国家機関などの大規模なリソースを持たない独立系研究者でも高度な実験が可能になった。
最近の研究では、暗号解読に必要な量子ビット数の推定値が大幅に引き下げられている。理論上の課題から、現実的なエンジニアリングの課題へと移行しつつある状況だ。
仮想通貨市場への潜在的な脅威
暗号資産(仮想通貨)業界では、ビットコインやイーサリアム(ETH)などがより強固な256ビットのECCを使用している。そのため、今回の15ビット鍵の解読が直ちに現在のネットワークを危険にさらすわけではない。
しかし、ブロックチェーン上に公開鍵が露出しているウォレットには、約690万ビットコインが保管されている。
将来的に量子コンピュータの性能がさらに向上すれば、これらの資産が攻撃の対象になる可能性がある。
また、高速な処理を特徴とするソラナ(SOL)などのネットワークも、例外なくセキュリティの強化が求められる。
今回の解読手法については、従来型の計算による推測が一部助けになったとの指摘もあり、純粋な量子計算のみによる成果かどうかは議論の余地がある。
それでもプロジェクト・イレブンは、今回の成果を重要なマイルストーンとして検証し、高く評価している。同社は2.5兆ドル以上の資産を保護する現在の暗号技術に対する最大の公開量子攻撃だと称賛した。
プロジェクト・イレブンは、現在の量子システムが完全な脅威には至っていないとしながらも、業界全体に対して耐量子暗号への移行を急ぐよう強く呼びかけている。