ジーキャッシュ急騰、ヘイズ氏が「取引所からの移動」を警告

暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEXのアーサー・ヘイズ共同創設者は12日、プライバシーコインのボラティリティが急上昇している状況を受け、ジーキャッシュ(ZEC)を取引所から移動するよう注意を呼びかけた。
同氏は最近、ジーキャッシュをビットコイン(BTC)に次ぐ第2位の保有資産であることを明かした。
ヘイズ氏の警告とジーキャッシュの強気姿勢
プライバシーコインの代表格であるジーキャッシュは、11月初旬にかけて急激な価格変動を見せた。
10月8日から11月7日にかけて、ZEC価格は約156ドルから533ドルへと241%上昇し、一時750ドルに到達する場面もあった。
この高騰の背景には、ヘイズ氏の発言がある。同氏はジーキャッシュを「ビットコインのプライバシーにおける真のライバル」と称賛し、自身の主要保有資産の一つとして支持を表明している。
さらに、著名投資家ナヴァル・ラヴィカント氏がジーキャッシュを「ビットコインの保険」と位置づけたことも投資家心理を刺激した。
機関投資家の注目も集まり、グレイスケールが運用するZcashトラストの資産は10月だけで228%増加し、1億3700万ドルに達している。
ジーキャッシュの市場背景
ジーキャッシュ市場では、テクニカル的に過熱感が高まっている。週間相対力指数は94.24と、過去最高水準に達しており、「買われ過ぎ」のシグナルが点灯している状況だ。
一方で、強気の要因も明確に存在する。10月に完了した「Zashi」アップグレードによって、Zcashのプライベート取引プールが将来性のあるソラナ(SOL)やイーサリアム(ETH)などの主要ブロックチェーンと接続された。
これにより、プライベート取引は7倍に急増し、全供給量の約30%にあたる490万ZECがロックされたと報告されている。
ただし、規制リスクも依然として懸念材料だ。
2024年にはクラーケンがモネロ(XMR)の上場を廃止し、バイナンスもEU規制対応の一環としてプライバシーコインの取扱停止を示唆しており、こうした動きを踏まえてヘイズ氏は警戒を呼びかけている。
今後の展開とリスク要因
ヘイズ氏は、ジーキャッシュが年内に1000ドル、長期的には1万ドルに到達する可能性があると強気の見通しを示している。
その背景には、世界的なプライバシー需要の高まり、技術的課題の改善、そして11月に予定されている半減期による供給減少といった要因がある。
一方で、一部アナリストは慎重な見方を示しており、週足で300ドルを割り込めば上昇トレンドが終息し、200〜300ドルのレンジまで下落する可能性を指摘している。
ジーキャッシュは年初来で約995%という急騰を遂げており、短期的には利益確定による調整圧力が懸念される。
強気・弱気の見解が交錯する中、ジーキャッシュ市場は依然として高い投機性を帯びており、ヘイズ氏が取引所から資産を移すよう呼びかけた背景にも、この不安定な市場環境があるとみられる。