11億ドル規模のビットコイン投資、スペインのコーヒーチェーン

スペインのコーヒーチェーンVanadi Coffeeは4日、約11億ドル(約1584億円)規模のビットコイン投資計画を発表した。
同社は「ビットコインファースト」企業への転換を目指すと発表している。
サルバドル・マルティ会長が主導するこの戦略は、世界最大のビットコイン保有企業ストラテジー社のアプローチを参考にしたものだ。
同社は現在、財政的な困難に直面しており、2024年には330万ユーロ(約4億7500万円)を超える損失を記録している。
資金調達と承認プロセス
Vanadi Coffeeは転換社債の発行と株式発行を通じて資金を調達する計画だ。
同社は6月29日に予定されている株主総会でビットコイン蓄積計画の承認を求める方針を示している。
マルティ会長は、この戦略がビットコインを準備資産として保有する企業トレンドの一環であると説明した。
米国でのビットコイン上場投資信託(ETF)の承認や、GameStopなどの企業による暗号資産(仮想通貨)採用の拡大が、この動きを後押ししている。
現在3店舗を運営する同社は、2026年までに15店舗への拡大を目標とし、この大胆な戦略転換により、投資家の信頼回復と事業の再活性化を図る考えだ。
市場への影響と今後の展望
専門家らは、この投資計画が計算されたリスクであり、同社の財政安定化を目的としていると分析している。
ビットコインを事業モデルに統合することで、技術に精通した顧客層の獲得と競争市場での差別化を図る狙いがある。
企業によるビットコイン採用の拡大は、仮想通貨市場全体の需要増加につながる可能性があり、ストラテジー社が市場に与えた影響と同様の効果が期待されている。
Vanadi Coffeeの戦略は、世界的な機関投資家による仮想通貨採用の流れと一致しており、この動きが他の企業にも波及効果をもたらすかどうか市場関係者の注目が集まっている。