ストラテジー、BTC約164億円分を売却|優先株の配当資金に

仮想通貨を保有する米企業大手のStrategy(ストラテジー)は3日、保有するビットコインの一部を売却した。
優先株の配当と自社株買いに資金を充当
同社が米証券取引委員会(SEC)に提出した文書によると、7月下旬から8月上旬にかけて1,638ビットコイン(BTC)を売却した。
平均売却価格は6万3,957ドル(約1,004万円)だった。総額で約1億470万ドル(約164億3,700万円)の資金を調達している。
得られた資金のうち、5,240万ドル(約82億2,600万円)は優先株であるSTRCの配当支払いに充てられた。残りの5,230万ドル(約82億1,100万円)は、同優先株の買い戻しに使用されている。
高い配当利回りを持つ優先株の管理は、同社にとって重要な課題となっている。
また、同期間に普通株の売却も実施し、2億9,060万ドル(約456億2,400万円)を新たに調達した。このうち2億5,000万ドル(約392億5,000万円)を米ドル準備金に追加している。
準備金の総額は40億ドル(約6,280億円)に達し、財務の安定性がさらに強化された。
優先株の買い戻しは、額面である100ドル(約1万5,700円)を下回る約89ドル(約1万3,900円)で行われた。市場価格が割安なタイミングで買い戻すことで、将来的な配当負担を効率的に軽減する狙いがある。
従来の保有戦略から柔軟な資金管理へ転換
今回の売却後、同社のビットコイン保有量は84万2,138BTCとなった。全体の平均取得単価は7万5,419ドル(約1,184万円)と報告されている。
今回の売却価格は取得単価を下回っており、事実上の損失を確定させた形での取引となった。
ストラテジーのマイケル・セイラー会長はこれまで、暗号資産(仮想通貨)を長期保有する戦略を強く掲げてきた。
しかし、今回の動きは従来の「バイ・アンド・ホールド」と呼ばれる姿勢からの転換を意味する。市場環境に応じて保有資産を柔軟に活用する方針へシフトしたとみられる。
同社は優先株に対して年利12%という高い配当を設定している。この配当水準を維持するためには、継続的かつ安定的な資金確保が不可欠だ。
ビットコインを単なる準備資産としてだけでなく、必要に応じた資金調達の手段として活用し始めたことがうかがえる。
仮想通貨市場の価格変動リスクを考慮しつつ、企業としての財務基盤を安定させるための現実的な措置と言える。
また、資産のボラティリティを抑える目的でステーブルコインの活用も視野に入れている。今後の市場動向や準備金の状況次第では、さらなる売却や資金移動が行われる可能性もある。