トランプ系USD1、ミームコイン取引で90%近くのシェアを獲得

ブロックチェーン分析企業TK Research(TKリサーチ)は28日、ステーブルコインのUSD1が、BNBチェーン上のミームコイン取引で90%近くのシェアの獲得を発表した。
USD1はドナルド・トランプ大統領関連のWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・ファイナンシャル)が発行するもので、5月21日以降のわずか1週間で取引ペアの占有率が50%から急拡大している。
BUILDonが主導する市場制圧
この急成長の中心となっているのがBUILDon(B)で、USD1ペア取引の日次取引量の90%以上を占め、全ミームコインホルダーの28.4%を保有している。
現在27,448人のホルダーを抱え、USD1エコシステムで最も広く保有されているミームトークンとなっている。
5月にはWorld Liberty Financialが63万6000個のBUILDon(B)トークンを2万5000ドルで直接購入した。この買い付けにより、数時間で時価総額が4000万ドルから2億1000万ドルへと1340%の急騰を記録した。
新しい仮想通貨インフラで急拡大
USD1の成長には主要取引所への上場が寄与している。Binance(バイナンス)とBitget(ビットゲット)がUSD1のスポット取引ペアを追加し、BNBチェーンのゼロガス手数料プログラムにより手数料なしの取引が可能になった。
分散型金融(DeFi)分野でも統合が進んでいる。USD1はVenus ProtocolやDolomiteの流動性プールで主要ステーブルコインとしての地位を確立した。
Lista DAOとの2000万ドル規模のパートナーシップにより、USD1を担保とした借入システムも構築されている。
早期投資家が大きな利益を獲得
利益を実現したトレーダーの21%が1000ドル以上の利益を確保しており、大部分のトレーダーの利益幅は1〜50ドルの範囲となっている。
現在のUSD1時価総額は21億5000万円に達し、PayPal PYUSD、FDUSDを上回る第5位のステーブルコインとなっている。
新しい暗号資産(仮想通貨)技術を活用したこれらの統合により、従来のUSDTやUSDC主導のステーブルコイン市場に新たな競争軸が生まれている。
早期投資家の利益実現動向から、今後の利益確定売りへの警戒感も市場関係者の間で高まっている。