アジア富裕層の資産戦略、ドルから仮想通貨・金へシフト

金融大手UBSグループのアジア富裕層顧客はこのほど、米ドル資産から金・仮想通貨・中国資産へと資産配分をシフトしていることが分かった。
アジア富裕層の資産動向とUBSの戦略
アジアにおけるUBSグローバル・ウェルス・マネジメント(UBS GWM)は、2024年1〜3月期に現地で10億ドル(約1,460億円)の収益を記録し、富裕層の資産運用需要が高まっている。
リーダーシップには、アジア共同責任者のエイミー・ロー氏やジン・イー・ヤング氏が就任し、クレディ・スイスとの統合を経て、アジア地域のプラットフォーム強化が進む。
近年、アジアの富裕層やファミリーオフィスは、伝統的な米ドル資産だけでなく、金や仮想通貨(暗号資産)、さらに中国市場にも分散投資する動きを強めている。
背景として、世界経済の不透明感や主要通貨のボラティリティが挙げられる。
UBSは、このような顧客の資産ニーズに応えるため、ファミリーガバナンスや事業承継のアドバイザリーを強化している。
金・仮想通貨・中国資産が注目される理由
金や仮想通貨は、インフレや為替変動へのリスクヘッジ手段として注目され、仮想通貨は特に、資産保全や成長性の観点から富裕層投資家の選択肢に加わっている。
中国市場に関しては、資本市場の段階的な自由化や成長期待が背景にあるが、規制などの課題も残る。
また、アジア地域では相続や事業承継を意識したファミリーオフィスの設立が進んでいる。
UBSでは、これらの顧客に対し、エイミー・ロー氏らアドバイザリーの専門家が資産分散や家族経営のガバナンス強化を支援している。
仮想通貨分野においても、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった主要銘柄への関心が高まっている。
今後の資産運用とUBSの役割
市場の不透明感が続く中、富裕層顧客は資産の安全性と成長性を両立させるため、従来の米ドル建て資産だけに頼らず、複数の資産クラスへ分散する傾向を強めている。
UBSは、クレディ・スイスとの統合により、アジアにおける顧客基盤と専門性を一段と拡大。
今後も金や仮想通貨、中国市場など多様な投資機会を提供しつつ、富裕層の資産保全と成長支援に注力していく考えだ。
アジアにおける富裕層投資家の一部は、分散投資の一環としてビットコインにも注目している。
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