スイとビットコインの統合が加速、「BTCfi」環境の構築が進行

スイ SUI +1.84%ネットワークはこのほど、ビットコイン(BTC)統合を拡大し、保有者向けに多様な分散型金融(DeFi)のユースケースを提供している。
BTCfiの重要インフラの1つに
ビットコインは、最も安全で分散化された暗号資産(仮想通貨)と広く認識されている。
しかし、その価値の保存手段としての強みとは裏腹に、これまではネットワークの制約から金融的な実用性に乏しい側面があった。
この状況を変えるべく、ビットコイン上に構築されたDeFiアプリケーションを指す「BTCfi」が台頭している。
その中でスイは、ソラナやアプトス、カルダノと並び、ビットコインベースの機能をサポートするレイヤー1ブロックチェーンの1つとなっている。
スイネットワークの開発元Mysten LabsのAdeniyi Abiodun共同創設者兼CPOは、「ビットコインの有用性は主に価値の保存に限られていた」と指摘。
スイがビットコイン利用者にDeFiへのアクセスと報酬をもたらし、BTCを「受動的に保有するだけではない」活用を可能にすると述べた。
スイのBTC活用例
スイのBTCfiエコシステムには、現在複数の異なる統合が含まれている。
まず、Sui Bridgeを通じて導入されたラップド・ビットコイン(WBTC)がある。
これはイーサリアム(ETH)上で発行・管理されるもので、スイ上のDeFiアプリへの最も迅速なルートを提供する。
利用者はWBTCをBluefinのようなDEXや、Suilend、Naviといったレンディングプロトコルで活用できる。
次に、Lombard Financeが発行するビットコインデリバティブのLBTCも存在する。
これはBTCを利回り戦略で活用したいユーザー向けに設計されており、クロスチェーンブリッジへの依存を減らしつつ柔軟性を提供している。
さらにスイは最近、ビットコインのレイヤー2ネットワークであるStacksと統合し、エコシステムを拡大した。
Stacksとの統合で鍵となるのがsBTCだ。これはStacksネットワーク上でビットコインと1対1で裏付けられる資産であり、中央集権的な管理者を必要としない点が最大の特徴である。
WBTCのようなラップド資産が第三者に依存するのに対し、sBTCは分散化された署名者ネットワークを使用する。
プロトコルのセキュリティと稼働性を維持するため、閾値コンセンサスメカニズムを通じて発行と償還が承認される仕組みだ。
この連携により、ビットコイン保有者は、従来は他のチェーンに限定されていたレンディングや取引、流動性ステーキングなどのサービスへ参加しやすくなる。
TVLの10%を構成
Abiodun氏は、スイの総価値ロック額(TVL)の10%以上がビットコイン関連資産で構成されていると言及。
「これはビットコインが傍観者でいる以上の役割を求める需要があることを示している」と語った。
スイ以外のチェーンでもBTCfiの取り組みは進んでいるが、スイのアプローチは、複数の統合モデルを単一のエコシステム内で提供しようとする点に特徴がある。
Abiodun氏は、「BTCfiは今年の重要な戦略的優先事項だ」と語り、今後のさらなる発展に期待を示した。
