リップルCEO、サークル買収報道を「交渉事実なし」と否定

リップルのブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)は1日、ステーブルコイン発行大手サークルの買収を検討していたとする報道を明確に否定した。
ジョージタウン大学法学部のクリス・ブルーマー教授がラスベガスでの非公開イベントで行った対談で、ガーリングハウスCEOは「リップルはサークルの買収を追求したことはない」と断言した。
4月から続いた買収騒動の経緯
今年4月以降、複数のメディアがリップルによるサークル買収提案について報じていた。匿名の情報源を引用した報道では、リップルが40億から50億ドルでサークルに買収提案を行ったとされ、その後200億ドルまで提案額を引き上げたとの憶測も流れていた。
ブルュマー教授によれば、ガーリングハウスCEOは「サークルには幸運を祈るが、同社のビジネスは検討対象ではない」と述べ、買収計画を完全に否定した。
リップルは代わりに、従来の金融とブロックチェーン技術を橋渡しする企業や決済プロセッサーなど、現実世界との接点を持つ企業の買収に関心があると説明した。
リップルの実際の戦略と今後の方向性
ガーリングハウスCEOは同じイベントで、リップルの次期ステーブルコイン「RLUSD」をXRPレジャー上での取引担保として位置づける計画を明らかにした。
同社は最近、世界的な信用ネットワークであるHidden Roadを12億5000万ドルで買収し、年間3兆ドルを清算する同社のサービスを通じて、従来の金融とトークン化資産を結ぶ市場インフラの構築を進めている。
リップルはまた、アラブ首長国連邦当局と不動産のトークン化パイロットプロジェクトに取り組んでおり、暗号資産(仮想通貨)業界全体の信頼性向上を目指している。
サークル側は4月の報道直後から売却意思がないことを明確にしており、米証券取引委員会(SEC)への株式公開申請を優先する方針を示している。
同社は最低50億ドル(約7150億円)の企業評価額を目指し、IPOを通じた資金調達に注力している。今回のガーリングハウスCEOの発言により、数カ月間にわたって市場を賑わせた買収騒動は終息に向かうとみられる。