ライトコイン初、スマートコントラクト機能搭載|LitVMが始動

暗号資産(仮想通貨)事業会社Lunar Digital Assetsは31日、ライトコイン(LTC)エコシステム向けのゼロ知識証明レイヤー2ネットワーク「LitVM」の立ち上げを発表した。
2011年に開始されたライトコインブロックチェーンに初めてスマートコントラクト(自動契約承認)機能をもたらす画期的な取り組みとなる。
LitVMはソフトウェア開発キットBitcoinOSとPolygon CDKを基盤として構築され、ライトコイン財団の支援を受けている。
この新しいネットワークにより、ライトコインは従来の決済機能に加えて、分散型金融(DeFi)アプリケーションや実物資産(RWA)のトークン化といった先進的な用途に対応できるようになる。
ゼロ知識証明技術でスケーラビリティを実現
LitVMはゼロ知識ロールアップ(ZK Rollup)技術を採用し、イーサリアム(ETH)仮想マシン(EVM)との互換性を保ちながら、クロスチェーン流動性と実物資産のサポートを提供する。
この技術により、ライトコインネットワークの処理能力を大幅に向上させつつ、セキュリティを維持することが可能になった。
開発チームはポリゴン(POL)のチェーン開発キット(CDK)とBitcoinOSを活用することで、スケーラビリティ(拡張性)と互換性の両面で優れた性能を実現している。
EVM互換性により、イーサリアム系のツールやDeFiエコシステムとの連携が容易になり、開発者の参入障壁も大幅に低下する見込みだ。
ライトコインエコシステムの新たな展開
2011年の開始以来、ライトコインは高速性とシンプルさを重視してきたが、プログラマブルなインフラストラクチャは持たなかった。
LitVMの登場により、ステーブルコイン決済、トークン化資産、DeFiアプリケーションなど、様々な用途でライトコインを活用できるようになる。
205以上の「アルファポイント」(特定の活動や貢献度などを示すポイント)を獲得した対象ユーザーは、5月31日から「TAIKOトークン」130個を、エアドロップによって受け取ることができるようになった。
また、ライトコイン財団による支援により、セキュリティと分散化というライトコインの基本理念との整合性も確保されている。
LitVMは従来の金融とブロックチェーンエコシステムの橋渡し役として、トークン化された実物資産やニッチなオンチェーン資産のサポートも目指している。
ただし、シンプルさを重視してきたライトコインに複雑なスマートコントラクトを統合することは、戦略的なトレードオフも伴う。