仮想通貨HYPEが10%下落、ミームコインJELLY巡る騒動で

分散型取引所(DEX)Hyperliquidはこのほど、ソラナ(SOL)基盤のミームコインJELLYトークンを巡る市場操作問題に直面。プラットフォームから約3億ドル(約450億円)超のUSDCが流出し、ネイティブトークンHYPEも約10%下落した。
同プラットホームは先日にも、大口投資家(クジラ) の清算イベントにより、400万ドルを超える損失が発生。
同プラットホームのUSDC残高は、過去30日間で約25億ドルから執筆時点の20.7億ドルまで減少している。
ミームコインJELLYをめぐる騒動
事の発端は、クジラがHyperliquid上でJELLYトークンに対して、大量のショートポジション(空売り)開設後にトークン価格が400%以上の高騰を見せたことだった。
この高騰により大規模なショートスクイーズ(借金返済に向けた買い戻し)が発生し、ショートポジションが連鎖的に清算された。
その結果、HLP(USDCが預入された金庫)の未実現損失は約1,200万ドルにまで悪化した。
また、Hyperliquidのトレジャリー(財務)は当初、約500万ドル(約7億5000万円)のショートポジションを抱えていたが、この問題が解決されなければ、損失は約2億4000万ドル(約360億円)にまで膨らむ可能性があったという。
これを受けHyperliquidは、緊急措置としてJELLYトークンをプラットフォームから上場廃止し、影響を受けたユーザーにHyper Foundationの資金から補償を行う計画を発表した。
ただし一部のトレーダーらは、分散型金融(DeFi)の分散性の思想に反すると批判。
暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEXのアーサー・ヘイズ共同創業者は、「ハイパーリキッドが分散化されているふりをするのはやめよう。」と述べた。
また、Bitgetのグレイシー・チェンCEOも、「Hyperliquid は FTX 2.0 になる道を進んでいる可能性があります。」と述べている。
CEXによる攻撃か
一方、バイナンスなどの中央集権型取引所(CEX)がハイパーリキッドを破壊するために攻撃を仕掛けたのではないかという推測する声もある。
オンチェーン分析家ZachXBT氏は、事件発生前に「バイナンスを通じて資金提供を受けた」というアドレスを公開。バイナンスが価格操作のための資金提供をした可能性を示唆した。
また、バイナンスとOKXが、攻撃の最中にJELLYトークンの永久先物取引を上場したことも批判を呼んでいる。
今回の事件は、仮想通貨市場における価格操作の脆弱性と、分散型プラットフォームのリスク管理の重要性を改めて示す事例となった。
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