BTC供給を上回るETF需要、価格上昇牽引か|フィデリティ予測

大手資産運用会社のフィデリティはこのほど、記録的なETF流入とヘッジファンドの採用によるビットコインの強気相場が、現代の資産ポートフォリオにおける役割を再定義すると分析した。
強気市場の中、ビットコイン(BTC)は22日、米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)からの需要に支えられ11万ドル(約1573万円)の史上最高値を記録した。
ETF需要が生み出す需給不均衡
フィデリティ・デジタル・アセッツの調査によると、2024年12月だけでETFが5万1500BTCを蓄積した一方、同月のマイニング量はわずか1万3850BTCだった。
この極端な需給不均衡が歴史的な価格上昇を引き起こしている。
フィデリティのクリス・クイパー氏は、流動性指標と利下げサイクルの開始がヘッジファンドの参入をさらに加速させていると指摘した。
2025年初頭までに、ETF経由の需要の約80%が個人トレーダーによるものとなっている。
ビットコインは2022年後半から持続的な強気相場に入り、2024年初頭までに累積で225%以上の上昇を記録した。
フィデリティによると、現在のサイクルは2023年に始まり、同年に150%以上、2024年初頭までにさらに75%のリターンを示している。
マクロ経済要因が後押し
インフレ期待の持続と金融政策の変化がビットコインへの関心を高めている。
連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を上回るインフレが続く中、トレーダーは通貨価値下落に対するヘッジとしてビットコインに注目している。
利下げと流動性供給の増加により、仮想通貨を含むリスク資産への資金流入が拡大した。
フィデリティは現在の軌道をボトミング段階の一部と位置付け、今後のフェーズでは一層のボラティリティと価格上昇の加速が予想されるとしている。
ビットコイン以外では、イーサリアム(ETH)も注目を集めており、ETF上場とヘッジファンドの関心により2025年後半には1.5万ドル(約214万円)到達との予測もある。
仮想通貨市場全体の時価総額は3兆ドル(約429兆円)を突破し、アルトコインやAI関連ブロックチェーンプロジェクト全般での上昇を示している。