イーサリアム、前日比21%の急落|およそ2年ぶりの安値記録

イーサリアム(ETH) 価格分析
暗号資産アナリスト
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Hideaki S.
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Crypto News Japan専属ライター兼暗号資産アナリスト。FX取引の経験を基に、2020年から仮想通貨投資を開始。

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Shunsuke Saito
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イーサリアム(ETH)の価格は7日、一時的に前日比21%の急落を記録し、2年来の安値である1420ドルまで値を下げた

短期保有者による下落圧力

この急落の動きの一因は、短期保有者の売却活動だと推測される。

オンチェーン分析プラットフォームCoinglassのデータによると、この期間にイーサリアムデリバティブ市場で2億5787万ドルの清算が発生。状況の深刻さを浮き彫りにしている。

また、暗号資産(仮想通貨)分析企業Santimentのオンチェーンデータによれば、4月6日(日曜日)から7日(月曜日)にかけて、仮想通貨投資家の損失確定が加速。

この間の実現損失は5億ドルを超えた。

特に過去1カ月以内に購入されたコインが売却の中心となっており、短期保有者が下落局面に敏感に反応していることがわかる。

この動きは、イーサリアムが1,500ドル台を回復した7日時点でも継続しており、市場心理の脆弱さを示唆する。

一方、1~2年前に購入されたコインも売却に加わりつつあるが、そのペースは緩やかだ。

この層からの売り圧力が強まれば、イーサリアムの下落がさらに長期化するリスクが高まる。

DeFi清算の連鎖が下落を加速

短期保有者の売却活動に加え、DeFi(分散型金融)プロトコルの清算がイーサリアム価格の下落を増幅している一因となっている。

オンチェーン分析プラットフォームLookonchainのデータによると、DeFiプロトコル「Sky(旧Maker)」は7日、5万3074ETH(約7400万ドル相当)の担保を持つ大口投資家のポジションを清算した。

Skyではイーサリアムを担保にDAIステーブルコインを借り入れることが可能だが、担保価値が一定水準を下回ると自動清算が発動する仕組みだ。

別の大口投資家は22万ETHの担保を持ち、7日に1万ETHと352万DAIを追加したが、清算価格を1,119ドルに設定している。

イーサリアムがこの水準を下回れば、全担保が失われるリスクに直面する。

同様の動きは別のDeFiプロトコルAaveでも確認されており、@KARTODのDuneダッシュボードによると、7日に1億6200万ドル以上の担保が清算された。

DeFi全体での清算拡大がイーサリアムの流動性危機を悪化させ、価格下落に拍車をかけている。

今後の動向

イーサリアムの価格動向は、短期保有者のパニック売りとDeFi清算の連鎖に大きく影響されている。

これが継続すれば、1,000ドルへの下落は現実的なシナリオとなり得る。

特に1~2年保有層の売却が加速するか、DeFiプロトコルの流動性リスクがさらに顕在化するかが、今後の焦点となる。

【4月8日最新】イーサリアム(ETH)価格のテクニカル分析

ETH週足チャート
出典:TradingView ETH/USD 週足 (2023年~現在まで)

イーサリアム(ETH)は2024年の強気相場を経て、現在明確な調整局面に突入している。

2023年11月のゴールデンクロスを起点に、ビットコインETF承認や米大統領選といった外部要因が後押しとなり、価格は2,000ドルから4,100ドルへと急騰した。

しかし、2024年12月のピーク以降、勢いは失速。

足元では2年ぶりの安値である1,420ドルまで後退し、市場は新たな方向性を模索している。

週足チャートでは、2024年を通じて100週移動平均線が主要なサポートとして機能してきたが、最近の下落でこの水準を明確に下抜けた。

これは2023年以降のブルトレンドが終焉を迎え、長期的な調整局面への移行を示唆する。

2024年12月に記録した4,100ドルの高値から、価格はすでに65%以上下落。

現在の1,420ドル付近は、2022年の安値圏に相当するが、過去のサポートとしての実績は乏しい。

ETH日足チャート
出典:TradingView ETH/USD 日足 (2024年10月~現在まで)

日足チャートでは、1月下旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが形成され、売り圧が強まっている。

4月初頭の1,950ドルが直近の上値抵抗として機能しており、この水準を回復できない限り、上昇モメンタムの再燃は難しい。

1,760ドルのサポートを失った後、価格は1,420ドルまで急落したが、7日にはこの水準で一時的な反発を見せた。

ただし、1,420ドルは過去のサポートとしての強度が低く、出来高も反発を裏付けるほど増加していない。

次の下値目途は1,100ドル台前半だが、現時点では1100ドル水準への下落継続のリスクが大きい。

イーサリアム相場の要点

  • 下落リスクの継続:週足での100週移動平均線下抜けが1,100ドル台へのさらなる下落を示唆。1,420ドルのサポートは脆弱で、明確な反発材料が欠如。
  • 短期反発の可能性:1,420ドルでの反発が短期的な買いを誘発する可能性も。ただし、1,950ドルの抵抗突破がなければ上昇は限定的。
  • 注目水準:上値は1,950ドル、下値は1,100ドルが次の試金石。週足での反発シグナル確認まで、慎重なスタンスが求められる。

免責事項:本記事の価格予測は、入手可能なデータやトレンドに基づいたCrypto News Japan独自の相場分析を示したものであり、投資アドバイスを構成するものではありません。暗号資産は変動が激しく、将来価格の確実な保証はできません。資金の一部または全額を失う可能性があることを理解した上で、必ずご自身の調査およびリスク許容度に基づいて投資判断を行ってください。

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