イーサリアム、前日比21%の急落|およそ2年ぶりの安値記録

イーサリアム(ETH)の価格は7日、一時的に前日比21%の急落を記録し、2年来の安値である1420ドルまで値を下げた。
短期保有者による下落圧力
この急落の動きの一因は、短期保有者の売却活動だと推測される。
オンチェーン分析プラットフォームCoinglassのデータによると、この期間にイーサリアムデリバティブ市場で2億5787万ドルの清算が発生。状況の深刻さを浮き彫りにしている。
また、暗号資産(仮想通貨)分析企業Santimentのオンチェーンデータによれば、4月6日(日曜日)から7日(月曜日)にかけて、仮想通貨投資家の損失確定が加速。
この間の実現損失は5億ドルを超えた。
特に過去1カ月以内に購入されたコインが売却の中心となっており、短期保有者が下落局面に敏感に反応していることがわかる。
この動きは、イーサリアムが1,500ドル台を回復した7日時点でも継続しており、市場心理の脆弱さを示唆する。
一方、1~2年前に購入されたコインも売却に加わりつつあるが、そのペースは緩やかだ。
この層からの売り圧力が強まれば、イーサリアムの下落がさらに長期化するリスクが高まる。
DeFi清算の連鎖が下落を加速
短期保有者の売却活動に加え、DeFi(分散型金融)プロトコルの清算がイーサリアム価格の下落を増幅している一因となっている。
オンチェーン分析プラットフォームLookonchainのデータによると、DeFiプロトコル「Sky(旧Maker)」は7日、5万3074ETH(約7400万ドル相当)の担保を持つ大口投資家のポジションを清算した。
Skyではイーサリアムを担保にDAIステーブルコインを借り入れることが可能だが、担保価値が一定水準を下回ると自動清算が発動する仕組みだ。
別の大口投資家は22万ETHの担保を持ち、7日に1万ETHと352万DAIを追加したが、清算価格を1,119ドルに設定している。
イーサリアムがこの水準を下回れば、全担保が失われるリスクに直面する。
同様の動きは別のDeFiプロトコルAaveでも確認されており、@KARTODのDuneダッシュボードによると、7日に1億6200万ドル以上の担保が清算された。
DeFi全体での清算拡大がイーサリアムの流動性危機を悪化させ、価格下落に拍車をかけている。
今後の動向
イーサリアムの価格動向は、短期保有者のパニック売りとDeFi清算の連鎖に大きく影響されている。
これが継続すれば、1,000ドルへの下落は現実的なシナリオとなり得る。
特に1~2年保有層の売却が加速するか、DeFiプロトコルの流動性リスクがさらに顕在化するかが、今後の焦点となる。
【4月8日最新】イーサリアム(ETH)価格のテクニカル分析

イーサリアム(ETH)は2024年の強気相場を経て、現在明確な調整局面に突入している。
2023年11月のゴールデンクロスを起点に、ビットコインETF承認や米大統領選といった外部要因が後押しとなり、価格は2,000ドルから4,100ドルへと急騰した。
しかし、2024年12月のピーク以降、勢いは失速。
足元では2年ぶりの安値である1,420ドルまで後退し、市場は新たな方向性を模索している。
週足チャートでは、2024年を通じて100週移動平均線が主要なサポートとして機能してきたが、最近の下落でこの水準を明確に下抜けた。
これは2023年以降のブルトレンドが終焉を迎え、長期的な調整局面への移行を示唆する。
2024年12月に記録した4,100ドルの高値から、価格はすでに65%以上下落。
現在の1,420ドル付近は、2022年の安値圏に相当するが、過去のサポートとしての実績は乏しい。

日足チャートでは、1月下旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが形成され、売り圧が強まっている。
4月初頭の1,950ドルが直近の上値抵抗として機能しており、この水準を回復できない限り、上昇モメンタムの再燃は難しい。
1,760ドルのサポートを失った後、価格は1,420ドルまで急落したが、7日にはこの水準で一時的な反発を見せた。
ただし、1,420ドルは過去のサポートとしての強度が低く、出来高も反発を裏付けるほど増加していない。
次の下値目途は1,100ドル台前半だが、現時点では1100ドル水準への下落継続のリスクが大きい。
イーサリアム相場の要点
- 下落リスクの継続:週足での100週移動平均線下抜けが1,100ドル台へのさらなる下落を示唆。1,420ドルのサポートは脆弱で、明確な反発材料が欠如。
- 短期反発の可能性:1,420ドルでの反発が短期的な買いを誘発する可能性も。ただし、1,950ドルの抵抗突破がなければ上昇は限定的。
- 注目水準:上値は1,950ドル、下値は1,100ドルが次の試金石。週足での反発シグナル確認まで、慎重なスタンスが求められる。
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