コインベースCEO、米大統領選を「仮想通貨の大勝利」と評価
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは7日、2024年米大統領選について「仮想通貨にとって大きな勝利だった」との見解を示した。
仮想通貨支持派の躍進が鮮明に
アームストロングCEOは、オハイオ州で仮想通貨支持派のバーニー・モレノ氏が、仮想通貨に批判的なシェロッド・ブラウン氏に勝利したことを重要な転換点として挙げた。
— Brian Armstrong (@brian_armstrong) November 6, 2024
ブラウン氏は以前から仮想通貨が制裁回避やテロ資金供与に利用される可能性を指摘し、規制強化を主張してきた。また、下院では257名の仮想通貨支持派候補が当選を果たし、超党派で業界への理解が広がっていることを強調した。
同CEOは、エリザベス・ウォーレン上院議員とゲーリー・ゲンスラー証券取引委員会(SEC)委員長による「違法な業界潰し」が、民主党の敗北の一因になったとの見方を示した。
バイデン大統領とハリス副大統領も、両氏の行き過ぎた規制アプローチを容認したことで責任を負うべきだと指摘した。
業界の未来像を語る
アームストロングCEOは「反仮想通貨の姿勢は政治家としてのキャリアを終わらせる良い方法だ」と指摘。現在の金融システムに不満を持つ有権者が変化を求めていると分析した。
さらに、今回の選挙結果は「社会主義的な方向への道を進まない」という米国民の意思表示だとの見解を示した。
同氏は「仮想通貨は政策の観点から見ても存続が確実だ」と述べ、消費者と業界を保護する合理的な法整備が進むとの見通しを示した。その上で「この産業は間違いなく米国で発展していく」と強調した。
超党派の支持獲得を目指す
アームストロングCEOは、仮想通貨業界が真に原則に基づいた超党派的なアプローチを取ったことに誇りを示した。同時に「重要な新技術や産業は、米国の繁栄を推進する要素として両党から支持されるべきだ」と述べ、今後も建設的な対話を続ける姿勢を示した。
コインベースと投資会社A16Zは、2026年の中間選択に向けて追加資金をFairshakeに提供し、同団体の運用資金は約78億円に達している。
また、現在190万人の支持者を持つStandWithCryptoは、2026年までに支持者を400万人に増やすことを目標に掲げている。
さらに同団体は、G20諸国などでも同様の規制環境整備を目指し、国際的な活動を拡大する方針だ。
アームストロングCEOは「仮想通貨が世界の金融システムを更新し、経済的自由を高めるには、世界的な採用が不可欠だ」と述べ、グローバルな展開の重要性を強調した。
仮想通貨業界の政治的影響力の拡大を示す今回の選挙結果は、今後の規制環境にも大きな影響を与える可能性がある。