チェーンリンクが新システム発表、大手Aaveとの統合も実施

暗号資産(仮想通貨)市場における大手オラクルサービスチェーンリンクはこのほど、新たに「Smart Value Recapture(SVR)」と「Payment Abstraction」を発表した。
SVRは、分散型金融(DeFi)プロトコルに収益を還元することを可能にするシステム。一方Payment Abstractionは、仮想通貨LINKでチェーンリンク関連サービスの利用や決済を可能にするシステムだ。
SVRはすでに、大手DeFiプロトコルのAaveが統合を実施しており、発生した収益の65%をAave(35%はチェーンリンク)が受け取る形となる。
MEV回収で価値を還元
SVRは、MEV (Maximal Extractable Value)の抽出によって発生した収益の約40%を取り戻し、DeFiプロトコルに還元することを目指している。
MEVとは、ブロックビルダーがトランザクションの順序を操作することで得られる利益を指す。特にDeFiの清算プロセスなどで発生し、DeFiプロトコルやユーザーに還元されることなく、マイナーやバリデーターに流れていた。
今回のAaveとのパートナーシップにより、数千万ドル規模といわれる清算取引から生じる価値を効果的に回収し、エコシステムの持続可能性を高める狙いがある。
なお、初期段階では、Threshold Bitcoin(tBTC)、LBTC、AAVE、LINKなどの市場でSVRが活用される。
今後もSVRの改良を進め、分散化とガス効率の向上を図る計画を示している。さらに、複数のブロックチェーン間でのMEV回収が可能になる可能性がある。
LINK需要を高める
Payment Abstractionは、ユーザーがイーサリアム(ETH)など多様なトークンで手数料を支払い、それを自動的にLINKに変換する機能だ。
クロスチェーン互換プロトコル(CCIP)が統合されており、SVRなどで回収した収益を含む手数料を、オートメーションと価格フィードで変換、サービス提供者にLINKを送ことが可能だ。
そのため、支払いの摩擦を減らし、LINKを「ユニバーサル・ガス・トークン」として需要を高めていく狙いだ。
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