仮想通貨の直接購入が可能に|マスターカード新サービス開始へ

ブロックチェーンの相互運用性を提供するチェーンリンク LINK +2.74%は24日、決済大手のマスターカードと提携した。
この提携により、30億人以上のマスターカード保有者が、Swapper Financeプラットフォームを介して法定通貨で直接暗号資産(仮想通貨)を購入できるようになる。
伝統金融とDeFiの架け橋
今回の提携は、マスターカードの広範な決済ネットワークと、チェーンリンクが持つ分散型の相互運用性技術を統合するものである。
これにより、従来の法定通貨による取引とDEXの間に存在した障壁が取り払われる。マスターカードは、既存のネットワークを活用し、伝統的な決済システムと分散型市場を接続することで、仮想通貨経済のインフラ提供者としての地位確立を目指す。
一方、チェーンリンクにとっては、Web2とWeb3のエコシステムを繋ぐ役割を強化する戦略的な動きとなる。今回の提携は、Web3とは何かを一般に知らしめる良い機会となるだろう。
この取り組みは、仮想通貨の購入プロセスを簡素化することで、一般ユーザーへの普及を促進する。これまで複雑だった仮想通貨の買い方も、今回の提携で大きく変わる可能性がある。
中央集権型の取引所や複雑なウォレット設定への依存を減らし、市場の民主化を図ることが期待される。
コンプライアンスと技術的基盤
サービスの中心となるSwapper Financeは、複数のDEXから流動性を集約し、マスターカードを利用した直接的なオンチェーン取引を実現する。ユーザーは仲介者を介さず、法定通貨を仮想通貨に交換できる。
この仕組みは、ZerohashやShift4 Payments、XSwap、Uniswapといった仮想通貨関連企業によって支えられている。
特にZerohashは、マネーロンダリング対策や顧客確認といったコンプライアンスを確保し、制度的な信頼性を高める上で重要な役割を担う。
この提携の発表を受け、チェーンリンクのネイティブトークンであるLINKの価格は約14%上昇した。この価格変動は、仮想通貨がより広く受け入れられることへの市場の強い期待を反映している。