ビットコイン、一時8.2万ドルへ急落|トランプ関税発表影響か

ビットコイン(BTC)価格は3日、日本時間5時台に記録した8.8万ドル台から数時間で8.2万ドル台へと急落した。
関税政策が市場を揺さぶる
この価格変動の背景には、ドナルド・トランプ米大統領が現地時間4月2日に発表した関税政策影響が指摘されている。
トランプ大統領が打ち出した包括的な関税政策は、約200の米国貿易相手国を対象に報復関税を課すものだ。基準となる10%関税は4月5日から発効し、USMCA適合商品を除く全輸入品に適用される。
一部国には最大49%の関税が課され、特に海外製自動車には25%の関税が設定された。
トランプ氏は執行命令で、「1934年以来、米国の貿易政策は互恵主義を基盤としてきたが、近年その均衡が著しく崩れている」と主張。この政策は4月9日から段階的に施行される。
発表後、グローバル金融市場は混乱に陥った。
ダウ、ナスダック、S&P500の先物は時間外取引で2~4%下落し、アップル(7%安)、アマゾン(6%安)、エヌビディア(5%安)といった主要銘柄が軒並み売られた。
暗号資産(仮想通貨)市場もこのリスクオフの波に巻き込まれ、BTCと株式市場の相関性が改めて浮き彫りとなった。
関税によるインフレ圧力と経済成長鈍化への懸念が、リスク資産への投資意欲を冷やしている。
マイニング業界への波及|ハードウェアコスト上昇が重荷
関税政策はビットコインのマイニング業界にも影響を及ぼす。
デジタル資産管理会社Two Prime Digital AssetsのCEO、アレクサンダー・ブルーム氏は、「ビットコインマイニングは中国製ASICチップに依存しており、関税引き上げは生産コストを増大させ、収益性を圧迫する」と分析。
米国拠点のマイニング企業は中国以外の調達を増やしているが、ハードウェアサプライヤーが関税コストを転嫁すれば、競争力維持に必要な資本が膨らむ。
これを受けて、4月1日の時間外取引では、コア・サイエンティフィック(8.5%安)、MARA(7%安)、ライオット・プラットフォームズ(5.6%安)といったマイニング株が下落した。
一方で、ブルーム氏は経済的不確実性の高まりを背景に、「金やビットコインといった価値保存手段への資金流入が増える」と予測。
関税による新たな連邦収入が、トランプ氏の「予算中立的なBTC取得」方針を後押しする可能性も浮上している。
【4月3日最新】ビットコイン(BTC)の価格分析

ビットコインは2023年10月に週足チャートで移動平均線のゴールデンクロスを形成。
ビットコインETF承認による好景気の中、長期的な上昇トレンドに入ったと考えられる。
このゴールデンクロスは、ビットコインが数年スパンで上昇を続ける可能性を示唆していたが、2025年に入ってからは急速な下落が始まっている。
特に、2025年1月にビットコインは10.9万ドルを記録したものの、その後の売り圧力が強まり、急速に下落に転じた。
現在、ビットコインは10.9万ドルから約23%安の8.3万ドル台に位置しており、20週移動平均線を大きく下回る状況となっている。
この価格帯では強力なサポートが確認できないため、短期的な反発は難しく、さらなる下落が続く可能性が高い。
特に、週足チャートにおいては下落の勢いが止まっておらず、100週移動平均線との乖離が縮まるための下落が続くと予測される。

日足チャートでは、2025年2月に20日移動平均線と100日移動平均線のデッドクロスが発生し、短期的な下落圧力が強くなるサインとして解釈される。
このデッドクロスは、弱気相場が優勢であることを示唆し、ビットコインは3月に入ってから7.6万ドル~9.6万ドルのレンジ内で推移している。
この価格帯では依然として売り圧力が強く、今後もしばらくこの範囲での横ばい推移が続くと予想される。
もし、7.6万ドルを日足実体で下抜けるようなことがあれば、売り圧力が一層強まり、次のサポートゾーンである6万ドル台への下落リスクが現実味を帯びるだろう。
現時点での価格推移は、下落トレンドが続く中での調整期間であり、早期の反発は難しいと見なされる。
ビットコイン(BTC)相場の要点
- ビットコインは2023年10月にゴールデンクロスを形成し、長期的な上昇トレンドに入ったが、2025年に入り急速な下落を迎えている。
- 週足チャートでは、売り圧力が強く、今後数週間でさらなる下落が続く可能性が高い。
- 日足チャートでは、デッドクロス後の下落圧力が強く、7.6万ドルを下回ると6万ドル台への下落リスクが高まる。
- 短期的な反発は難しく、下落トレンドが継続する可能性が強い。
最先端の仮想通貨ウォレット






