DEX取引量68兆円突破で史上2番目を記録|BNBチェーンが牽引

暗号資産(仮想通貨)全チェーンのDEX(分散型取引所)取引量はこのほど、4741億ドル(約68.2兆円)に達した。
DEXの取引量を追跡するDeFiLlamaのデータによって明らかになった。
この数字は史上2番目の高水準となり、分散型金融(DeFi)エコシステムの活発な成長を示している。
BNBチェーンが記録的な成長を達成
今回の記録的な取引量増加を牽引したのは、バイナンススマートチェーンとしても知られるBNBチェーンだった。
同チェーンのDEX取引量は1782億ドル(約25兆6600億円)に達し、過去最高を記録した。
さらに、主要な分散型取引所だけでも1653億ドル(約23.8兆円)の取引量を記録し、これも新記録となった。
この急成長の背景には、アルファエアドロップと取引キャンペーンの実施があり、これらの施策により、報酬を求めるユーザーや投機的な機会を狙うトレーダーが大量に流入した。
パンケーキスワップなどの主要DEXを擁するBNBチェーンは、コスト効率の高い代替手段として注目を集めている。
イーサリアムとの対照的な動向
BNBチェーンの成長は、イーサリアム(ETH)の状況と対照的だ。
イーサリアム基盤の主要DEXであるユニスワップの24時間取引量は26億6500万ドル(約3840億円)にとどまった。
イーサリアムのDEX取引量は2025年3月に570億ドル(約8.2兆円)まで半減しており、DeFiへの投機活動とユーザー参加の減少を反映している。
分散型取引所は現在、スポット取引量の約13%を占めているが、流動性と執行速度の面で中央集権型取引所が依然として優位を保っている。
しかし、DEXアグリゲーション技術の革新により、この格差は徐々に縮まりつつある。
今回のBNBチェーンの記録的成長は、戦略的なインセンティブとユーザー体験の最適化が市場シェア獲得に重要な役割を果たすことを示している。