ビットワイズ幹部、ビットコイン投資における新戦略を提案

大手暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ・アセット・マネジメントのマット・ホーガン最高投資責任者(CIO)はこのほど、ビットコイン(BTC)を従来の投資ポートフォリオに組み込む新しいアプローチを提案した。
ビットコインを単独で追加するのではなく、ポートフォリオ全体のリスク予算の文脈で検討すべきだと述べた。
リスクとリターンのバランスを重視した新戦略
ホーガン氏は、ビットコインのボラティリティが時間とともに大幅に低下していると指摘した。
同氏によると、現在のビットコインは「MAG7銘柄の多くよりもボラティリティが低い」状況にあり、採用が増加するにつれてこの傾向は続くと予測している。
ビットワイズの顧客に対する典型的な配分は、ポートフォリオの約2.5%程度となっている。
この配分は、リスクエクスポージャーとのバランスを保ちながら成長ポテンシャルを捉えることを意図している。
ホーガン氏は、この小さな配分により投資家が「ボラティリティに耐えながら成長の恩恵を受ける」ことができると説明した。
同氏は、ビットコインを純粋な投機的資産とする見方に反論し、より安定した「価値貯蔵」資産への進化を強調。成熟した投資手段に類似したものだと位置づけた。
企業採用の拡大が市場安定化を促進
ホーガン氏は、世界最大のビットコイン保有企業ストラテジー社のビットコイン戦略を、より広範なトレンドの先駆けとして挙げた。
ストラテジー社は45万BTC以上を保有しており、これは2024年にマイニングされた21万BTCを大きく上回る規模となっている。
同氏は、今後18カ月以内に数百の企業がビットコインを準備資産として採用すると予測している。
この動きは、ビットコインの希少性とインフレーションに対するヘッジとしての認識の高まりによって推進されるとしている。
メタなどの大手企業が続く可能性があり、これが機関投資家の需要を促進し市場を安定化させるとの見方を示した。
仮想通貨の所有における課題(ウォレット管理やセキュリティリスクなど)も緩和されており、主流ポートフォリオへの統合が容易になっている。
このような動向は、信頼性の高いビットコインウォレットの普及にも支えられている。
ビットワイズは現在100億ドル以上の仮想通貨を運用しており、機関投資家の信頼を裏付けている。
ホーガン氏は、ビットコインをリスク調整されたポートフォリオツールとして再定義することで、現代の投資戦略における重要な構成要素として位置づけている。