米ベルゲン郡、2400億ドルの不動産証書をAVAXでトークン化へ
米ニュージャージー州ベルゲン郡は28日、総額2400億ドル（約34兆6000万円）相当の不動産証書をアバランチ（AVAX）ブロックチェーン上でトークン化すると発表した。
ブロックチェーンソフトウェア企業Balconyとの5年間の契約により、37万件の不動産証書をデジタル化。この取り組みは米国史上最大規模のブロックチェーン証書トークン化プロジェクトとなる。
ベルゲン郡は人口約100万人を抱えるニュージャージー州最大の郡で、年間5億ドルの固定資産税収入を生み出している。
90%の処理時間短縮を目指す
アバランチを基盤とするBalconyのプラットフォームにより、証書処理時間を90%以上短縮することを目標としている。改ざん不可能で検索可能なデジタル台帳により、詐欺リスクや権利関係の紛争、管理エラーを大幅に削減する見込みだ。
ビットコイン（BTC）で実証された分散台帳技術を不動産記録に応用することで、中央集権的なシステムの脆弱性を克服する。
2024年の報告によると、州・地方自治体を標的とするランサムウェア攻撃の72%が100万ドル以上の身代金を要求している。
同郡のジョン・ホーガン郡書記官は「住民の生活改善が目的。不動産記録のデジタル化により、住宅所有者や企業、将来世代にとってプロセスがより簡単で迅速、安全になる」と述べている。
全米展開への足がかり
Balconyは既にカムデン、オレンジ、モリスタウンなど複数の自治体と連携している。オレンジ市では不完全な記録により隠れていた約100万ドルの自治体収入を発見した実績がある。
同社のダン・シルバーマンCEOは「不動産と公的記録システムの転換点」と位置づけ、「安全で分散化されたシステムが古いインフラを置き換え、政府と市民双方に実際の価値を提供する方法を実証している」と説明している。
アバランチのような新しい暗号資産（仮想通貨）技術の活用により、従来システムでは不可能だった大規模データの迅速な処理が実現している。
現在、Balconyはニュージャージー州全体で46万件超の不動産、総額2900億ドル相当をブロックチェーン上に移行させており、政府記録管理のデジタル化で新時代を切り開いている。
Ava Labsのルイジ・ドノリオCSOは「アバランチ（AVAX）ブロックチェーンは、この規模のプロジェクトに必要な速度、信頼性、柔軟性を提供する」と評価している。
