エルサルバドル、公立学校向けビットコイン教育プログラムを開始

エルサルバドル国家ビットコインオフィス(ONBTC)は22日、公立学校向けの新たな教育プログラム「ビットコイン・ディプロマ2.0」を開始した。
次世代に向けた金融教育の刷新
このプログラムは、教育ソリューション企業のWeSpark(ウィースパーク)と共同で開発された。従来のカリキュラムを全面的に見直し、2026年を通じて全国の公立学校に導入される予定だ。
すでに最初の教科書の配布が始まっており、パンチマルコやアポパといった町で新しい学習施設が開設されている。
国家ビットコインオフィスのステイシー・ハーバート局長によると、これは国家レベルで適用される初の包括的な金融教育プログラムの一つだという。
アニメーションや現実世界の事例など、視覚的なツールを多用しているのが特徴だ。若者たちに暗号資産(仮想通貨)や幅広い金融の概念を分かりやすく説明する工夫が凝らされている。
授業では、ステーキングやライトニングネットワークの基礎、マイニングなどの専門的なテーマを扱う。さらに、通貨主権やグローバルな金融市場の仕組みといった一般的な経済知識も網羅している。
生徒が独自の通貨をデザインする実践的な課題もあり、希少性や発行の原則を体験的に学べるようになっている。
法定通貨撤回後の新たなアプローチ
今回の教育プログラムは、エルサルバドルにおけるビットコイン(BTC)の利用率が低下する中で打ち出された。
同国は2021年に世界で初めてビットコインを法定通貨としたが、利用率は徐々に減少していた。
2025年2月には、国際通貨基金(IMF)との14億ドル(約2184億円)の融資合意に基づき、法定通貨の地位を正式に撤回している。
IMFとの合意により、政府はビットコインの追加取得や関連する経済活動への関与を制限されている。しかし、今回の教育プログラムはこれらの制限には抵触しないとみられている。
政府は現在も約7,564 BTCを保有しており、その価値は現在の価格で約4億9000万ドル(約764億4000万円)に上る。
国家ビットコインオフィスは教育分野にとどまらず、将来的に若者のスタートアップ支援なども計画している。
若い世代が自身のビジネスを立ち上げるための支援プログラムを展開する予定だ。学校での教育が、実際の社会での仮想通貨の普及にどう結びつくのか、今後の展開が注目されている。