仮想通貨の分離課税はいつから?法改正の可能性と注目ポイント
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暗号資産(仮想通貨)に関する税制が、今大きく注目を集めています。現在は「雑所得」として最大55%の課税がされる仮想通貨ですが、2025年にも「申告分離課税」が導入される可能性があると報じられています。
もし分離課税が実現すれば、税率は一律20.315%に。税負担が軽くなり、確定申告も簡単になることで、投資しやすい環境が整うと期待されています。
そこで本記事では、仮想通貨の分離課税がいつから始まるのか、制度変更の背景やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説しています。仮想通貨の税金や今後の制度に関心がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
本記事の要約
- 仮想通貨の利益は現在「雑所得」として総合課税の対象となり、所得に応じて最大55%の高い税率。
- 申告分離課税が導入されれば、仮想通貨の利益に対する税率は株やFXと同様に一律20.315%となる。
- 分離課税が実現すれば、損益通算や損失の繰越控除が可能になる見込み。
- 税制の明確化により、仮想通貨市場への新規参入者が増え、市場の活性化やETFなど新たな金融商品の開発促進が期待。
- 早ければ2026年から適用される可能性があり、法改正や制度整備の動向に注目が集まっている。
現行の仮想通貨税制とは?なぜ「雑所得」扱いなのか
現在、日本の仮想通貨取引に関する税制では、ビットコインやイーサリアムといった暗号資産による利益は「雑所得」として分類されています。
この雑所得は、株やFXとは異なり「総合課税」という枠組みで課税されるのが特徴です。
仮想通貨の税制は「総合課税」が基本
総合課税とは、給与所得や事業所得など他の所得と合算して、累進課税(所得が多いほど税率が上がる仕組み)が適用される制度です。プレセール仮想通貨の利益は、例えば副業収入と同じように扱われ、最終的な所得金額に応じて税率が決まります。
この総合課税の下では、所得税と住民税が合算されるため、税率は最低でも15%(所得税5%+住民税10%)からスタートし、最大で55%(所得税45%+住民税10%)に達します。
特に、年収や本業の給与が高い人ほど、仮想通貨の利益に対しても高い税率がかかる仕組みとなっています。
最大55%の課税負担が発生する理由と具体例
では実際に、どのようなケースで最大55%の税負担が発生するのかを見てみましょう。
たとえば、会社員として年収400万円を得ている人が、副業として仮想通貨や草コイン取引で300万円の利益を得たとします。この場合、合計所得は700万円となり、以下のように課税されます。
このように、仮想通貨やミームコインの利益が高額になるほど、他の所得と合算されて課税されるため、実質的に数十%の税金が発生します。特に所得が高い人にとっては、最大で55%の税率が適用される可能性があり、仮想通貨の利益をすべて手元に残せるわけではありません。
また、ICO仮想通貨の税制では損失の繰越控除や損益通算が認められていない点も問題視されています。つまり、前年に損をしていても、翌年の利益と相殺することができず、毎年の利益ごとに税金を払わなければならないという不利な状況です。
仮想通貨税金のシミュレーションは以下です。
課税所得額 | 税率 | 住民税 | 合計税率 |
---|---|---|---|
195万円以下 | 5% | +10% | 約15% |
195万円超~330万円以下 | 10% | +10% | 約20% |
330万円超~695万円以下 | 20% | +10% | 約30% |
695万円超~900万円以下 | 23% | +10% | 約33% |
900万円超~1800万円以下 | 33% | +10% | 約43% |
1800万円超~4000万円以下 | 40% | +10% | 約50% |
4000万円超 | 45% | +10% | 最大55% |
申告分離課税になるとどう変わる?基本知識を解説
申告分離課税が仮想通貨に導入されれば、投資家にとっての税制環境が大きく変わるだけでなく、市場全体にもさまざまな影響が広がると予想されています。
税率の明確化や制度の整備により、これまで仮想通貨に慎重だった層の参入が進み、投資商品としての信頼性も高まるでしょう。ここでは、制度改正によって期待される新しい仮想通貨市場の主な変化について解説します。
申告分離課税とは?株式やFXとの違い
「申告分離課税(しんこくぶんりかぜい)」とは、特定の所得を他の所得と合算せず、独立して税率を適用する課税方式です。文字通り、「申告」と「課税」が分離して行われるため、全体の所得額に関わらず一定の税率で課税されるのが最大の特徴です。
この制度はすでに、株式投資やFX取引、先物取引などに適用されています。
比較項目 | 総合課税 | 申告分離課税 |
---|---|---|
所得の扱い | 他の所得と合算して計算 | 他の所得と切り離して計算 |
税率 | 累進課税(最大55%) | 一律20.315%(予定) |
対象例 | 給与、仮想通貨(現状) | 株式、FX(今後の仮想通貨) |
損益通算 | 制限あり(他所得と相殺不可) | 同一分類内で通算可能 |
損失繰越 | 不可 | 最大3年繰越可能(予定) |
仮想通貨がこの申告分離課税に移行すれば、株やFXと同様の扱いになり、仮想通貨税金の計算がシンプルで明確になります。
また、利益が多い人でも税率が上がらないため、税負担の見通しが立てやすくなるのも大きな利点です。
申告分離課税が導入された場合、仮想通貨の税率はいくらになる?
現在の議論や与党・業界団体の要望を見る限り、仮想通貨やエアドロップに申告分離課税が適用された場合、一律20.315%の税率が想定されています。
これは、すでに株式やFXに適用されている税率と同じ構成です。
申告分離課税の内訳(予定)
- 所得税:15%
- 住民税:5%
- 復興特別所得税:0.315%
- 合計:20.315%
たとえば、仮想通貨取引で100万円の利益を得た場合、計算は以下のとおりです。
つまり、どれだけ1000倍を目指せる仮想通貨で利益を得ても、課税額は一律20.315%で計算されます。
一方で、所得が少ない人にとっては負担が重くなる可能性もあります(たとえば、現行の税制では税率5〜10%に収まっていた人が20%課税される)。この点は次の「メリット・デメリット」にて詳しく解説します。
仮想通貨の分離課税導入によるメリット・デメリット
メリット
- 税率が一律になり、税負担の予測がしやすくなる
- 損益通算や損失繰越が可能になる可能性
- 税制の明確化により市場参入のハードルが下がる
デメリット
- 低所得者層は逆に税負担が増える可能性
- 他の所得との損益通算ができなくなる
- 税務申告や管理の手間は依然として残る
メリット①:所得が少ない人は税負担が増える可能性も
申告分離課税が導入されれば、仮想通貨の利益に対する税率は一律20.315%に固定されます。これにより、所得額に関わらず税率が一定となるため、事前に納税額を把握しやすく、投資戦略や資金計画を立てやすくなります。
とくに高所得層にとっては、現行制度より大幅に税負担が軽減されます。
メリット②:損益通算できる範囲が狭くなるリスク
現在は雑所得扱いのため、他の所得との損益通算や、損失の翌年繰越ができません。
しかし、申告分離課税の対象となれば、株式やFXと同様に、同じ所得区分内での損益通算や、最大3年間の損失繰越が可能になる見込み。これにより長期的な運用がしやすくなります。
メリット③:税制の明確化により市場参入のハードルが下がる
仮想通貨取引にかかる税制が明確で公平なものになることで、新規投資家や企業の参入が増えると期待されます。
特に従来、税制の複雑さに不安を抱えていた初心者にとって、参入障壁が下がり、市場全体の流動性と活性化につながる効果が期待されます。億り人になれる可能性がある仮想通貨に投資するユーザーが増えることが予想されるでしょう。
デメリット①:低所得者層は逆に税負担が増える可能性
現在の総合課税では、所得が少ない人は所得税5%+住民税10%=合計15%程度で済むケースもあります。
しかし、申告分離課税により一律20.315%が適用されると、こうした低所得者層の実質的な税負担が増える可能性があります。すべての人にとって有利とは限りません。
デメリット②:損益通算できる範囲が狭くなるリスク
申告分離課税が導入されると、仮想通貨取引による損失は、不動産所得や事業所得など他の総合課税の所得とは通算できなくなります。
たとえばおすすめ仮想通貨で損失が出ても、事業所得の利益と相殺して節税することはできなくなり、節税の選択肢が狭まることになります。
デメリット③:税務申告や管理の手間は依然として残る
税率が一律になっても、仮想通貨やアルトコイン取引の記録・損益計算は依然として複雑です。複数の取引所やウォレットを利用している場合は、自分で正確に計算・申告する必要があり、簡略化されるとは限りません。
頻繁な取引を行う投資家にとっては、申告の手間が残る点が課題です。
仮想通貨の分離課税・税金20パーセントはいつから?制度改革のスケジュール予測
ビットコインの税金は、「売ったとき」や「使ったとき」など、利益が確定したタイミング(譲渡時)で発生します。
2024年末の税制改正大綱に盛り込まれた内容
2024年12月に発表された「2025年度税制改正大綱」には、初めて仮想通貨投資に関する申告分離課税の導入検討が明記されました。
大綱では「暗号資産を国民の資産形成に資する金融商品として位置づける」という文言が盛り込まれ、これによりAI仮想通貨を株式などと同様の金融商品として扱う方向性が打ち出されました。
また、税制だけでなく、取引業者による税務報告義務や投資家保護の観点も合わせて検討されることが示され、実現に向けた基盤が整いつつある状況です。
2025年の通常国会と制度開始の可能性
制度として実際に導入されるには、通常国会での法改正が不可欠です。2025年1月に開会予定の通常国会では、税制改正法案と並行して、金融庁による資金決済法の改正案も審議される見通しです。
この法案では、仮想通貨の今後の法的な位置づけを「金融商品取引法」の対象に移行することも視野に入れた議論が行われる予定です。仮想通貨税制の改正スケジュール(モデルケース)はこちら。
ステップ | 内容 | 時期 |
---|---|---|
大綱策定 | 税制改正方針の決定 | 2024年12月 |
国会審議 | 改正法案の審議・可決 | 2025年1月〜6月 |
関連制度整備 | 税務署・取引所・報告制度の整備 | 2025年内 |
施行開始 | 実際に新税制が適用される | 2026年1月1日〜 |
こうした枠組みが整えば、仮想通貨が制度上も“金融資産”と認められ、申告分離課税の対象に含まれるための大前提がクリアされることになります。
ただし、制度設計の複雑さや技術的な課題も残るため、議論の進捗次第では延期の可能性もあります。
制度改正が実現すれば、仮想通貨市場はどう変わる?
税制のわかりやすさは、そのまま市場参加者の拡大につながります。今後の日本の仮想通貨市場の変化予想は以下です。
- 新たな投資家層が参入しやすくなる
- 仮想通貨ETFや新金融商品の普及が進む可能性
- 確定申告の簡略化でハードルが大きく下がる
①:新たな投資家層が参入しやすくなる
仮想通貨に申告分離課税が導入されれば、「税金がいくらかかるか分からない」という最大の不安要素が取り除かれます。
とくに、これまで株やFXで資産運用してきた投資家にとって、仮想通貨との税制ギャップがなくなることで、参入の心理的ハードルが大幅に下がります。想定される参入層は以下です。
- 株式・FX投資経験者(退職世代・30〜50代の資産運用層)
- 会社員や副業トレーダー層(仮想通貨の確定申告を避けていた層)
- 長期保有を検討していた初心者層
②:仮想通貨ETFや新金融商品の普及が進む可能性
仮想通貨の分離課税が実現すれば、「仮想通貨=金融資産」としての信頼性が一気に高まります。
その結果、投資信託やETF(上場投資信託)といった新たな商品開発が本格化すると考えられています。期待される新商品としては、例えば以下が考えれます。
- 日本版ビットコインETF・イーサリアムETF
- 仮想通貨インデックス連動型投資信託
- ブロックチェーン関連企業に分散投資できる金融商品など
③:確定申告の簡略化でハードルが大きく下がる
現在の総合課税では、仮想通貨ごとの損益計算や、他の所得との合算、税率適用の確認などが非常に複雑です。実際に仮想通貨税金の抜け道を探す投資家も多いはず。
しかし、分離課税に移行すれば「利益×一律20.315%」の計算で済むため、確定申告の手間が大幅に軽減されます。分離課税導入で期待される変化は主に以下です。
- 一律課税により計算ルールが単純化
- 取引所の「年間損益報告書」だけで申告が可能性も
- 初心者もセルフ申告しやすくなり、納税率の向上も期待
まとめ
本記事では仮想通貨の分離課税について解説してきました。仮想通貨における申告分離課税の導入とは、株式やFXと同じく、利益に対して一律20.315%の税率を適用する制度のこと。
これにより、税率の予測がしやすくなり、損益通算や損失繰越も可能になる可能性があります。
分離課税制度の本格導入は早ければ2026年からと見込まれており、今後の国会審議や税制整備の動向に注目が集まっています。2025年は仮想通貨バブルが期待されているめ、今からの三友がおすすめ。
ぜひ本記事を参考に、今後の税制改正に備えた資産運用の見直しや、仮想通貨取引における戦略設計を始めてみてください。
仮想通貨の分離課税に関する質問
Q1.分離課税になると、仮想通貨の税金はどう変わるの?
Q2.申告分離課税はいつから適用される予定ですか?
Q3.分離課税になったら、損失繰越や損益通算はできるようになる?
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