Curve創設者、70億円調達の新DeFi「Yieldbasis」の文書公開

DEX大手Curve Financeのマイケル・イェゴロフ創業者は13日、新たな分散型金融(DeFi)プロジェクト「Yieldbasis」の仕組みを記した文書を公開した。
同プロジェクトは、流動性提供者が直面するインパーマネントロスの問題解決を目的としている。インパーマネントロスは、資産価格の変動により、自動マーケットメーカー(AMM)に資産を預けることが、単に保有し続ける場合よりも不利になる現象を指す。
Yieldbasisは、この根強いリスクを解消するため、AMMの仕組みを再設計することを目指す。
レバレッジ活用でIPをカバー
Yieldbasisの中核技術は、複利レバレッジを用いてAMMのポジションを継続的に再調整する点にある。
具体的には、Curveの分散型ステーブルコインcrvUSDを借り入れ、ビットコイン(BTC)と米ドルのペアなどで流動性ポジションを2倍に増幅させる。
この仕組みにより、流動性の比率が動的に調整され、市場のボラティリティを吸収しながら手数料収益の最大化を図る。
さらに、Curveの安定ペアに最適化されたAMM「CryptoSwap」を活用することで、流動性を集中させ、取引時のスリッページを最小限に抑え、手数料利回りを高める。
これにより、潜在的な借入コストを相殺することが期待される。
一方で、レバレッジの活用は、借入コストと手数料収入のバランスを精密に管理する必要があり、その持続可能性が今後の課題となる。
70億円超の資金調達
Yieldbasisは以前、5,000万ドルの評価額で500万ドル(約70億円)の資金調達を完了している。
YBトークンも発行予定で、発行される100億枚のうち10%が投資家に割り当てられ、6ヶ月のロックアップと2年間の権利確定期間が設定されている。
トークン配布の内訳は、コミュニティへのインセンティブが30%、チームが25%となっており、その他は開発や提携、Curve技術のライセンスに充てられる。
プロジェクトはCurveのインフラを活用することで、DeFi分野での円滑な導入を目指している。
長期的な目標として、トークン化されたBTCのオンチェーン流動性を最も深く確立し、機関投資家向けの市場で中央集権型金融(CeFi)ソリューションと競合することを掲げている。