ワールドコイン、新たに顔認証システム「Face Auth」を導入

グローバルなデジタルアイデンティティおよび暗号資産(仮想通貨)プロジェクトのワールドコインは19日、アイデンティティプロトコルWorld IDに新たなセキュリティ機能「Face Auth」を導入した。
Face Authとは何か?プライバシー重視の新技術
Face Authは、World Appユーザーにより高度なセキュリティと不正防止を提供するために設計された技術だ。World Appは、世界中で約1500万人が利用するデジタルウォレットである。
この新技術は、オーブと呼ばれる専用デバイスでWorld IDを検証した人物のみがWorld Appウォレットを使用できるようにする、プライベートな1対1の顔比較システムだ。
具体的には、ユーザーが撮影したセルフィーと、オーブが以前にキャプチャしてユーザーの端末に保存した画像を比較する。
Face Authの仕組みと特徴
Face Authの処理は以下の3ステップで行われる。
- ユーザーがWorld ID検証用のセルフィーを撮影
- 撮影したセルフィーとオーブ検証プロセスで取得した高品質画像を比較
- 画像がマッチすればWorld ID検証を完了
重要なのは、この全プロセスがユーザーの端末内でローカルに実行される点だ。Worldcoinの発表によると、セルフィーを含む個人情報は、ユーザーの鍵で暗号化された状態で端末にのみ保存される。
これにより、オンライン購入や金融取引、仮想通貨取引所などへのサインインなど、World IDを使用するあらゆるアクションにおいて、より高いセキュリティが確保される。
AIの進化とプライバシー保護の取り組み
ワールドコインはFace Authの導入に加え、プロジェクトの基本原則や実装方法、AI時代におけるその重要性を説明するビデオシリーズも公開した。
このシリーズでは、Face Authのほか、SMPC(安全な多者間計算)、個人管理、ゼロ知識証明(ZKP)、オンライン上の信頼、匿名性の維持、同意・教育・情報提供などのトピックが取り上げられている。
ワールドコインのプライバシー白書に記載された4つの主要な原則は以下の通りだ。
- セキュリティ:数学によって保護
- 匿名性:オンラインでの自由な行動
- 透明性:オープンな構築
- 選択と管理:データは個人のもの
これらの原則は、人間性と一意性を検証するハードウェアから、コミュニティメンバーの匿名性を確保する暗号技術まで、ワールドコインプロジェクトのあらゆる側面に反映されている。
Face Authの導入は、急速に発展するAI技術に対応しつつ、個人のプライバシーとセキュリティを守るワールドコインの取り組みの一環だ。
今後、この技術がどのように進化し、ユーザーに受け入れられていくか注目される。
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