Worldチェーン運用開始|世界最大の人間認証済みユーザー基盤

米OpenAIのサム・アルトマンCEO率いるWorldネットワークは17日、人間認証を重視したブロックチェーンであるWorld Chainの運用を開始した。
World Chainはイーサリアム(ETH)のレイヤー2(L2)として構築され、イーサリアムのセキュリティを継承しながら、高速で低コストな取引を実現する。同時に、プロジェクト名がWorldcoinから「World」に変更されたことも発表された。
World Chainとは
World Chainは人間を第一に考えて設計されたL2で、匿名の人間認証と金融アクセスに重点を置いている。
World IDと呼ばれる匿名の本人確認プロトコルを統合することで、ブロックチェーン上で初めて匿名の本人確認が可能になる。World ID保持者とWorld Appユーザーを対象とし、1500万人に上る。
WLDの流動性確保と新機能の追加
World(旧Worldcoin)は、World Chain上でのWorldの暗号資産(仮想通貨)であるWLDの初期流動性を確保するため、重要な措置を講じた。
World Assets Ltd.(Worldcoin財団の子会社)は、米国外で運営する取引会社と短期ローン契約を締結。10月9日に200万WLDのローンが提供され、これにより流通量が一時的に増加している。
また、「Mini Apps」と「Minikit」の導入も発表された。これらの機能により、開発者はWorld App内で直接アプリケーションを配信できるようになる。
さらに、Optimismデザインパターンの採用により、Optimism Stackとの互換性を確保。Worldのエコシステムは大幅に拡大し、相互運用性が向上する。
開発者向けの機会と支援の拡充
World Chainは開発者に対し、検証済みの最大規模のユーザー基盤へのアクセスを提供する。
約1500万人のユーザーが160カ国以上に広がっており、World Appなどの互換性のあるウォレットを通じてブロックチェーンアプリケーションを利用できる。
また、World Foundationは特定のプロジェクトに対して助成金を提供している。
投票システム、ボット対策を施したソーシャルメディア、ベーシックインカム、ガバナンスなどの分野でWorld Chainの成長を支援するプロジェクトが対象となる。
技術的特徴と将来の展望
World Chainは、より多くの人々を迅速にオンボーディングするために、ブロックチェーン技術の大幅な進歩を実現している。主な特徴は以下の通りだ。
- 垂直方向のスケーリングによる処理能力の向上
- 人間に優先的に割り当てられるブロックスペース
- 認証済みアドレスへのガス代無料枠の提供
これらの特徴により、一般ユーザーの利用障壁を下げつつ、ボットやヘビーユーザーからの手数料で運営コストをカバーする仕組みを目指している。
World(旧Worldcoin)の改名とWorld Chainの始動は、ブロックチェーン技術の民主化と人間中心の経済システムの構築を加速させる重要な一歩となる。
開発者向けドキュメントの公開、メインネットへのコントラクトのデプロイ、資産のブリッジなど、さまざまな方法で参加が可能だ。今後のWorldエコシステムの発展に注目が集まっている。
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