TON、12%急騰|テレグラムの15億ドル債券発行とxAI提携受け

ザ・オープン・ネットワークの基軸暗号資産(仮想通貨)であるトンコイン(TON)は29日、テレグラムの15億ドル債券発行とイーロン・マスクのxAIとの提携発表を受けて、価格が約12%急騰した。
テレグラムの大型債券発行が価格押し上げ
テレグラムが発表した15億ドルの債券発行は、エコシステム拡張のための資金調達を目的としている。
この発表を受けてTON価格は24時間で22%急騰し、2.97ドルから3.68ドルまで上昇した。
債券発行で調達される資金は、インフラ開発とエコシステムパートナーシップの強化に充てられる予定だ。
市場関係者は、この大型資金調達がTONの長期的な成長基盤を強化すると評価している。
テレグラムの月間アクティブユーザー数は8億人を超えており、この巨大なユーザーベースとTONエコシステムの連携強化が期待される。
イーロン・マスクのxAIとの戦略的提携
テレグラムは同時に、イーロン・マスクが率いるAI企業xAIとの3億ドル規模の提携も発表した。
この提携により、TONエコシステムにAI仮想通貨機能が統合され、実用性の大幅な向上が見込まれる。
xAIとの協業は、テレグラムのメッセージングプラットフォームにAI技術を導入し、ユーザー体験の革新を図る狙いがある。
この動きは、仮想通貨とAI技術の融合という新たなトレンドの先駆けとなる可能性が高い。
29日の取引では、TON価格は日中高値3.65ドルを記録した後、3.32ドル付近で安定し、これは3月以来の最大日間上昇率となった。
テクニカル分析と今後の見通し
TON価格は対称三角形パターンを上抜けし、強気のブレイクアウトを達成。この動きは530%の出来高急増を伴い、取引高は10.4億ドルに達した。
相対力指数(RSI)の改善も相まって、市場センチメントは明確に強気に転換している。
アナリストは短期目標を5.60ドル、中期目標を9.60ドルから10.76ドルと予測している。
ただし、これらの目標達成には持続的な上昇モメンタムが必要とされる。
TONは2018年にテレグラムによって開発された仮想通貨で、2週間の価格下落を経て今回の急騰に転じた。
高リスク・高リターン資産として位置づけられているが、採用拡大が加速すればアルトコインとして大きな上昇余地があると分析されている。