株式トークン市場、今後数年以内に1兆ドル超えか|業界関係者

暗号資産(仮想通貨)の業界関係者らはこのほど、トークン化された株式の市場が今後数年で1兆ドル(約143兆円)を超える規模に成長するとの見通しを示した。
トークン化株式とは、従来の株式に対応するデジタル・トークンをイーサリアム(ETH)などのブロックチェーン上で表現したものだ。
現在の仮想通貨業界では、株式のような現実資産(RWA)のトークン化が活発となっており、投資家はより簡単に資産へアクセスできたり、少額からの分割所有やより迅速な決済が可能となる。
その中で、米国株式市場自体の価値は50兆ドル(約7150兆円)を超えており、トークン化の取り組みにとって重要な対象となっている。
業界リーダーによる強気な予測
2025年4月16日にニューヨークで開催されたカンファレンス「TokenizeThis」において、主要な業界リーダーたちがトークン化株式の市場規模について楽観的な予測を共有した。
STOKRのArnab Naskar CEOは、トークン化株式の潜在市場規模は「確実に1兆ドルを超える」と見積もり、機関投資家の関心が強く高まっていることを反映した。
DinariのAnna Wroblewska商業ディレクターは、2025年には伝統的な金融機関などの多様なプレイヤーからのトークン化株式への需要が「爆発的に増加した」と強調した。
市場成長を後押しする要因
今後数年間でトークン化株式の市場価値が1兆ドルを超えると予想される背景には、金融機関や資産運用会社などの機関投資家がブロックチェーン技術の採用を進めていることや、規制環境の整備が進んでいることが挙げられる。
そのため、株式を含むあらゆるRWAが、新たな仮想通貨 投資の機会として採用が進められている。
業界レポートによると、トークン化ファンドだけでも2030年までに運用資産残高が6,000億ドル(約85兆8000億円)を超えると予測されている。
一部の予測では、規制条件が既存ファンドの直接的なトークン化を許可した場合、トークン化資産(プライベートファンドを含む)は2030年までに30兆ドル(約4290兆円)に達する可能性もある。
株式よりも広範なカテゴリーをカバーするトークン化証券市場は、2023年に540億ドル(約7兆7220億円)と評価され、年平均成長率5.2%で2031年までに770億ドル(約11兆110億円)に成長すると予想されている。
また、決済や他の形態のデジタル資産トークン化を含むトークン化市場全体は、2024年の約33億ドル(約4719億円)から2032年には128億ドル(約1兆8304億円)に成長すると予測されている。
これらのデータは、トークン化資産が数兆ドル規模の機会をもたらすという強固なトレンドを裏付けている。
その中でトークン化株式は、機関投資家の勢い、技術の成熟、規制の進化により、着実な拡大が見込まれる。
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