トロン、TRXを準備資産に米国上場へ | トランプ家も関与か

ブロックチェーンプラットフォームのトロンは16日、製造販売業米SRMエンターテイメントとの逆さ合併を通じて、米国での株式公開を計画していることが判明した。
新会社Tron Inc.は、世界最大の暗号資産(仮想通貨)保有企業米ストラテジー社のビットコイン(BTC)蓄積戦略を模倣し、2億1000万ドル相当のトロン TRX -1.52%トークンを中核資産として保有する財務戦略を採用する。
今回の取引は、トロンのジャスティン・サン創業者と同氏の企業に対する米SECの詐欺調査が一時停止されるなど、長年の規制当局による調査を経て、トロンにとって初の株式上場となる。
トランプ米大統領の息子であるエリック氏が新会社の経営陣に加わる見込みで、トランプ家の事業網と関連する投資銀行ドミナリ・セキュリティーズがこの取引を仲介したと報じられている。
規制緩和と政治的背景
今回の株式公開計画は、SECがサン氏と彼の会社に対する詐欺調査を4カ月前に一時停止したことを受けて進められた。
仮想通貨に友好的な政策への転換の中で、規制の枠組みが変化し、トロンの株式公開への道が開かれた可能性がある。
サン氏はトランプ氏関連のプロジェクトに多額の投資を行っている。これには、トランプ家が関わる仮想通貨事業ワールド・リバティ・フィナンシャルへの7500万ドルの出資や、トランプコイン(TRUMP)への1860万ドルの投資が含まれる。
さらに、ワールド・リバティ・フィナンシャルは最近、トロンブロックチェーン上で初のステーブルコインを発行しており、両事業の結びつきは一層強まっている。
市場の反応と今後の戦略
このニュースが伝わると、SRMエンターテイメントの株価は日中に453%も急騰。これはトロンエコシステムに対する投資家の高い関心を反映したものだ。
この株式公開は、サン氏とトロンが過去の事業運営に関してSECから申し立てを受けていた法的な不確実性の期間を経て行われる。
現在、和解に向けた交渉が進行中であると見られており、Tron Inc.は従来の企業財務モデルから脱却予定だ。
同社は今後、アルトコインであるTRXを中核的な準備資産としてその価値を証明することを目指す。