イスラエル、ビットコイン投信6本を同時承認|年内運用開始へ

イスラエル証券当局(ISA)は25日、6つのビットコイン(BTC)連動型投資信託の設立を承認した。
大手運用会社が一斉に参入、年内運用開始へ
Migdal Capital Markets、More、Ayalon、Phoenix Investment、Meitav、IBIの6社が運用するファンドが承認された。これらの投資信託は2024年12月31日に同時に運用を開始する予定だ。
各ファンドは暗号資産(仮想通貨)の代表格であるビットコインの価格に連動する。
BlackRockが運用するiBIT ETFやS&P、シカゴ取引所のインデックスを追跡する商品も含まれる。運用手数料は0.25%から1.5%の範囲で設定される。
米国でのETF承認を受けて需要が拡大
イスラエルの投資会社各社は2年以上にわたり、規制当局にビットコイン関連商品の承認を求めてきた。
2024年に入って米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン上場投資信託(ETF)を承認したことで、イスラエルでも同様の商品への需要が高まっていた。
IBI投資信託のゴレン副CEOは「SECの承認はビットコイン価格上昇の重要な要因の一つだった。現在では個人投資家がビットコインを保有する際、デジタルウォレットではなくETFを選択するケースが多い」と指摘する。
機関投資家の参入が加速、価格は年初来で120%上昇
Ayalon投資信託のハイム副社長によると、個人投資家のビットコイン保有比率は2020年初めの6.5%から現在は10%に上昇している。
機関投資家の参入も進んでおり、米国政府は200億ドル相当のビットコインを保有している。ビットコインは現在9万8000ドル付近で推移しており、年初来で120%以上上昇している。
価格の上昇を受けて「バブルではないか」との懸念も出ているが、業界関係者は「100ドルから1000ドル、1万ドルへの上昇時にも同様の指摘があった」と指摘している。
イスラエルの個人投資家にとって新たな投資機会に
今回承認された投資信託は、イスラエルの個人投資家にとってより簡単にビットコインに投資できる機会を提供する。当初は1日1回の取引となるが、将来的には取引頻度が増える可能性もある。
業界関係者からは「承認がもっと早ければ2024年のビットコイン価格上昇の恩恵を受けられた」との声も出ているが、新商品の登場により機関投資家の参入がさらに加速することが期待されている。