仮想通貨業界で女性給与15%増、男女格差逆転

米暗号資産(仮想通貨)投資会社パンテラ・リサーチ・ラボは31日、米国の仮想通貨業界における給与調査の結果を発表した。
この調査で、女性の年間中央値給与が17万2000ドル(約2582万円)に達し、男性の15万ドル(約2252万円)を約15%上回っていることが明らかになった。この結果は、他の多くの業界で見られる一般的な男女間賃金格差とは大きく異なる傾向を示している。
経験年数と役職が鍵に
女性の給与が高い要因として、暗号資産企業での経験年数の差が挙げられる。調査によると、女性の平均経験年数は5.3年で、男性の4.5年を上回っている。また、女性は中間層から上級職に多く就いているのに対し、男性は業界に転向してきた入門レベルの職位に就く割合が高いことも分かった。
パンテラの研究者マット・スティーブンソン氏、アリー・ザック氏、ニック・ザーク氏は次のように述べている。
「仮想通貨業界の従業員における男女間賃金格差は、通常観察されるものとは逆の傾向を示しています。比較的公平な賃金は、この比較的新しい分野における男女平等への前向きな傾向を示唆しています。」
残された課題と今後の展望
一方で、業界のトップリーダーシップにおける女性の少なさなど、課題は残されている。Forex Suggestの報告によれば、2023年の主要暗号資産CEOトップ50のうち、女性はわずか3人にとどまっている。この数字は、業界における意思決定層でのジェンダーバランスの改善が必要であることを示している。
パンテラの調査は、米国内の502人のフルタイム従業員を対象に、2024年6月4日から7月20日にかけて実施された。この包括的なデータ収集は、様々な専門家ネットワークやコミュニケーションチャンネルを通じて行われた。
この調査結果は、暗号資産業界が他の産業と比べて男女平等の実現に向けて先進的な動きを見せていることを示唆している。しかし、トップレベルでの女性の代表性不足など、さらなる改善の余地があることも明らかとなった。
今後、業界全体でより一層のダイバーシティとインクルージョンの推進が期待される。特に、女性リーダーの育成や、意思決定層への登用を積極的に行うことが、業界の持続的な成長と革新につながる可能性がある。
暗号資産(仮想通貨)投資において、このような業界の変化は投資判断の一要素となり得る。多様性のある企業や、女性リーダーが活躍する企業が、長期的には市場で優位性を持つ可能性があるからだ。投資家は、単に技術や市場動向だけでなく、企業の組織構造や人材戦略にも注目する必要があるだろう。
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